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ICU学生新聞入試特別号 2018年度ICU一般入試受験者数及び傾向と対策
ICU学生新聞入試特別号 2018年度ICU一般入試受験者数及び傾向と対策
ICU学生新聞The Weekly GIANTS 2018年度入試特別号掲載記事(2018年2月2日発行号)
BUCHO.NETが執筆し、ICU学生新聞の入試特別号に掲載された、
2018年度の入試の志願者数の分析および入試対策法に関する記事です。
2018年度ICU一般入試志願者数及び傾向と対策
<志願者数>
2018年度のICUの一般入試(A方式)志願者数は、1,451人(2018年1月26日現在)で、昨年度の志願者数1,571人から減少した。A方式の志願者数が減った背景には、ICUの入試制度の多様化と、他大学入試との日程重複という要因があると考えられる。ICUの入試では、2018年度から「ユニヴァーサル・アドミッションズ4月入学書類選考」が新たに追加されており、64名が出願している。これは従来は外国の高校出身の9月入学者を対象に行われていた書類選考による入試であるが、今年度から4月入学でも利用可能になった上に、日本国内の高校出身の学生なども出願できるようになった。これにより、従来は一般入試を受験していたような一部の受験生が、新しい入試制度を選択している可能性がある。さらに、今年度は比較的ICUとの併願者が多いと思われる上智大学のTEAP利用型入試と日程が重複しており、当該入試には延べ6,543人(*同時に複数学科への出願が可能であるため延べ人数。2017年度は延べ4,460人)が出願している。これは外部英語試験を利用した、上智大学の学部統一型の入試であるが、昨年度も2月3日に実施されていた。近年ICUは2月の第一週の土曜日に入試を実施しているが、昨年度は入試日が2月4日であったので、上智大学のTEAP利用型入試とは日程が重複していなかった。
<合格最低点>
ICUが2015年度から公表している合格最低点(補正後)は、概ね55%前後で推移している。
*合格最低点は中央値補正による換算後の点数
<科目別の傾向と対策>
- 英語 ?リーディングの出題形式が変更
・英語リーディングの単語数(words)*
*単語数は問題文(本文)の単語数の合計で、設問や選択肢の単語数は含まない(以下他の教科も同じ)
・英語リーディングの問題数
また、長文の内容に関して、読解問題が3題になったことで、ATLAS(総合教養)と同様に、3つの英文がそれぞれ人文・社会・自然科学に関連した内容から出題されている。よって、問題を解く際は、解きやすい分野の長文から解いた方がよいだろう。特に自然科学分野の長文が1題出題されると予想されるので、この点を踏まえて、解答の順番をよく考えて受験したい。その一方で、問題数は全体で40問から36問に変更されている。よって、長い英文の全てを精読するというよりは、問題で問われている箇所を重点的に読むなど、設問を意識しながら英文を読むことが重要である。2017年度入試から英語リーディングの出題形式が変更され、長文読解のPart 1にText 3が追加された。また、問題数は40問から36問に変更されている。全体に英文が長文化しており、合計で2,600 wordsを超える英文が出題された。比較的長い英文が出される事で知られる慶應大学総合政策学部の2017年度の英語長文の単語数が合計で約2,700 wordsであったが、同学部の外国語の試験時間が120分であることを考えると、試験時間が60分であるICUの英語リーディングでは、相当な解答スピードが求められる。
空所補充問題であるPart IIに関しては、設問が20問から12問に削減されたので、従来の問題よりは文中の空欄が減り、文意が理解しやすくなった。このパートを素早く解いて、Part Iの長文読解に時間を確保するようにしたい。
・英語リスニングの単語数(words)と放送時間
*放送時間には試験の指示や解答時間が含まれる
英語リスニングの単語数は全体で2,500 wordsを超えている。特に、講義の聞き取りのPart IIIが長文化している。2017年度の出題では、Part IIIの3つのうち2つの講義は500 wordsを超えており、英語リーディングの長文に匹敵する分量が、英語リスニングで出題されている。例年英語は入試の最後の時間帯に実施されるので、一度しか放送されない英語リスニングを含め、最後まで集中して試験に臨むことが求められている。英語リスニングの放送時間は試験の指示や解答時間を含めて30分程度である。なお、英語リーディングの解答時間は、上記の英語リスニングの放送時間の長さとは関係がなく、60分である。
- 総合教養(ATLAS) ?読解資料の文字数が増加
・総合教養の各Partの論文の文字数と放送時間
総合教養(ATLAS)は4つのPartに分かれており、Part Iでは放送講義に直結した問題、Part IIからIVはそれぞれ講義に関連した人文科学、社会科学、自然科学の論文を読んで答える問題が出題される。試験前に配布される問題冊子はシールで閉じられており、講義の放送終了までは問題冊子の内容を見るはできないが、別途メモ用の冊子が配られるのでメモを取ることは可能である。講義は一度しか放送されないので、問題を解く際に講義の内容を思い出せるよう、メモを取る必要がある。試験時間は80分であるが、昨年度の場合、講義の放送時間は約15分であったので、実質的な解答時間は約65分であった。
最近の出題では、Part II以降で掲載される論文の文字数が大幅に増加している。2017年度の問題では、各論文がいずれも3,500文字以上あり、3つのパートの文字数を合計すると約10,900文字にも達する。2015年度は7,700文字程度であったことを考えると、大幅に文字数が増えている。よって、人文・社会科学に匹敵するほどの分量の論文を、短時間で読むことが求められていることを念頭において、時間配分には十分に注意したい。
総合教養は出題範囲が人文、社会、自然科学と広範囲に及ぶので、すべての問題に答えるのは困難である。文系であれば人文科学や社会科学、理系であれば自然科学のパートを重点的に解くなど、自分の専攻範囲に合わせて、取捨選択を意識することが重要である。
3A.人文・社会科学 ?10,000文字以上の出題が定着
・人文・社会科学の論文の文字数と問題数
人文・社会科学の出題では、論文が約10,000文字、問題数40問の出題が定着している。論文の内容は大学の概論(入門)レベルのものが多く、また、他大学の入試ではみられない文章量であるので、まずはこの長い学術的論文を時間内に読みこなすことが重要である。設問も40問と多いため、スピーディに解いていく必要がある。解答に時間がかかる問題は後回しにして、短時間で解ける問題を優先的に解くようにしたい。近年の出題では論文の内容の順に設問が出されることが多いので、論文を読み進めながら順次設問を解くようにすると効率がよいだろう。
3B.自然科学 筆記問題が増加傾向
自然科学では他の教科にはない筆記問題が導入されているが、2017年度では物理で4問、化学で3問、生物で5問の筆記問題が出題され、従来の出題よりも増加傾向にある。数学のみ筆記問題はなかったが、計算結果を答える数値選択問題が多数あるため、他教科と比較して解答に時間がかかることが予想される。自然科学では4つの教科が一つの冊子に印刷され、試験時間中この内の2教科を選択する形式であるため、実際に各教科の問題を見てから解答する教科を決めることができる。よって、国立大学併願者などで、3つ以上の自然科学の科目を勉強している場合は、問題をみてから科目を選択するようにしたい。
*ICU OBの筆者が運営するICU入試情報サイト、「BUCHO.NET」では、ATLAS(総合教養)の出題情報、ICU合格体験記を募集しております(ギフトカードを贈呈)。ICU入試情報も掲載中です。【BUCHO】
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学内新聞WG ICU入試特別号販売のお知らせ
毎年好評の学内新聞WG入試特別号販売のお知らせです。
販売場所:ICU学内、ICU教会前付近/新D館前等を予定
(販売場所に学生新聞The Weekly GIANTSの看板が出ています)
発売する時間の目安:
2018年2月2日(金) 9:00頃-17:00頃
2018年2月3日(土) 7:30頃-14:00頃
(販売予定時間は天候や販売状況等により変更される可能性があります)
*荒天の場合、今のところ学食で販売予定、最新の販売状況はWG公式Twitterを確認
*追記:2日は悪天候のため13:00で販売を終了したとのことです
販売予定価格:300円
内容:ICU入試対策、ICU合格体験記、入試の心構えやICU学内マップ、大学案内など。
全般に、ICU入試をリラックスして受けていただくための、軽めの読み物が中心です。当方BUCHOも記事を執筆いたします。
その他:
*例年前日の方が在庫、人員、時間などに余裕があります。
*販売しているのはICU生なので、ICUやICU入試に関する質問も大歓迎(のはずです)
受験持ち物リストの確認
ICU入試が近づいてきたので、ここで受験での持ち物を確認してみましょう。
毎年大学受験をしている当方の受験持ち物を大公開。
・受験票(◎必須)
これを忘れると大変面倒なことになるので、とにかく前日の夜から鞄に入れておきましょう。また、念のため受験票をスマホで撮影するなど、受験番号を控えておいた方がよいです。
ちなみに写真右は受験票を入れるのにちょうどよいハガキサイズのクリアファイルです。休憩時間で離席する際に受験票を携行する必要がありますが、これに入れるとコンパクトかつ折れずに受験票を持ち運べます(鎌倉のお寺の入場券に付属していたやつを愛用)。
Amazonで「A6クリアファイル」で検索すると似たようななつが出てきた。テージー クリアホルダー(スモールサイズ) A6 10P クリア CC-101
A4のやつを1/4にカットしてもよいでしょう。
・筆記用具(◎必須)
鉛筆と消しゴムがあれば問題なし。長年の研究の結果、鉛筆4本、シャープペン2本、消しゴム2個、鉛筆削り、シャープペンの芯、という構成になった。試験対策上、4本の鉛筆の内、2本は筆記用に先を削って、2本はマーク用に先を丸くしてあります。ちなみにICU入試はシャープペンは使えません。
・時計(◎必須)
毎年大学を受験していますが、大学の教室に時計が設置されていた事は一度もなかったので、腕時計は絶対必須です。不正確な時刻が表示されている時計で混乱しないように、わざわざ入試会場の時計を外しているところもあるようですな。ICU入試でも試験会場に時計はありません。最近は正確な日本標準時でチャイム等を制御している学校が多いので、電波時計がよいでしょう。写真は電波ソーラーで操作音が消せるやつ。
・現金(◎必須)
万が一遅刻しそうになったらタクシーに飛び乗る事などもあるかも知れないので、現金は少し多めにもっていた方がよいでしょう。特にICU入試の場合は駅からバス移動するので、万が一の際のタクシー代はあった方がよいです。忘れ物をしても現金さえあれば大抵のものはコンビニや購買で買える。地獄の沙汰も金次第。
・スマホ(○できれば欲しい、かなり欲しい。)
不慣れな交通機関を使ったりしますし、荒天時のアナウンス等が大学のサイトに掲載される事もあり、スマホはあった方が便利です。
試験会場では電源OFF。試験中に鳴ったらつまみ出されるという諸刃の剣。
・飲み物(○持って行った方がよい)
今まで自販機もしくは購買のなかった会場は1つもなかったので現地調達も可能ですが、お茶などの飲み物は必須。試験前にエナジードリンクも飲んでブーストしています。
・昼食(○持って行った方がよい)
ICU入試の場合は学食が使えるはずなので、おにぎりかサンドイッチを持っていって、行けそうなら学食にいく感じでよいと思います。ちなみにほとんどの大学は学食がスタッフの待機場所になっているので、受験生は使えません。その代わりほとんどの大学は試験日に購買がやっていて簡単な昼食は買えます。
・ハンカチ、ティッシュ(○持って行った方がよい)
普段より多くお手洗いに人が並びますので、ハンカチを持ってないと目立っちゃうかも。
・お菓子(○必要に応じて持って行く)
試験前に食べると頭の回転が一瞬良くなる、気がする。コンパクトなチョコレートが吉。
・身分証(○念のため持って行く)
一度も提示を求められたことはありませんが、念のため学生証などの身分証は持って行った方がよいでしょう。
・交通系ICカード(○あると便利)
交通機関を使うので、ICカードがあると便利。武蔵境駅からICU入試会場に向かう小田急バスでも交通系ICカードが利用可能です。また、各大学の購買はICカードの導入が進んでいて、使えなかった記憶がないですね。
・薬(○必要に応じて持って行く)
自分の場合はパンシロン(胃腸薬)、ジキニン(風邪薬)、小青竜湯(鼻水に効果)、ガスター10(吐き気など)、などを持って行きます。常備薬はもちろん、緊張感と不慣れな環境から、体調を悪くすることは十分あり得るので、胃腸薬などはあった方がよいかも。ちなみに、チョコと栄養ドリンクのコンビネーションに、会場の暑さがあいまって、試験中に深刻な吐き気を催したことがあります(ノ∀`)。
・脱着可能な服装(○気をつけたい)
これは持ち物じゃないような気がしますが、会場の温度は寒いか暑いかの2択なので、試験対策上、脱ぎ着しやすい服装で言った方がよいです。あまりの暑さに会場で下に着ていたヒートテックを脱いだ事もあります。
ちなみにICUは大丈夫ですが、他大学受験時は、文字と地図が目立つ服は、念のためやめた方がよいです。
M大(併願研究のため国際日本学部を受けた)の試験会場で、英語っぽい文字がたくさん書いてある長袖Tシャツを着ていた男子が会場で服を脱ぐよう指示されていた( ゚д゚)。試験官は「英語の文字がたくさん書いてあるので脱いで」と言っていた。後で確認したら確かに要項には書いてあったけどほんとにやるんだなと。
下手をすると自分とこのマスコットも文字らしきものが書いてあるんで脱げという話になったりするのかと思ったが、こちらは1文字だけなのでセーフ。*センター試験の注意事項にも「英文字や地図等がプリントされている服等は着用しないでください」と書いてありますので、この大学だけが特殊という訳ではありません。
<まとめ>
細々と書きましたが、試験会場に時間内につけば大抵の事はなんとかなるので、受験票と筆記用具と時計と現金だけは忘れずに持って行き、とにかく集合時間までに試験会場に着くことが最重要です。
オンラインレクチャー直前対策講座
ICU入試対策直前対策講座(冬期講習)を12月より開講いたします。
詳しくは下記URLをご参照下さいませ。
ICU国際基督教大学入試時間割・試験時間の確認と補足
ICU(国際基督教大学)入試の時間割です。ICUの入試では、放送(リスニング)が複数の科目で導入されており、初見では分かりにくい部分という受験生の感想をよく聞くので、補足して説明させていただきます。なお実際の入試の時間割はICUの入試要項及び受験票を必ず確認して下さい。
9:00 受験生は各試験室に集合
9:30 〜 10:50 (1)人文・社会科学または自然科学 試験正味時間 80 分
11:20 〜 13:00 ※(2)総合教養 試験正味時間80分(リスニング約15分を含む)
14:15 〜 16:05 ※(3)英語 試験正味時間90分(リスニング約30分を含む)
・試験開始時刻は、若干変動することがあります。
※ 指示・配付時間等を含む。
注1:以下の補足は受験体験に基づく感想であり、非公式なもの。
注2:時刻が日本標準時ジャストであるかどうかは不明。集合時間以外の時刻は参考程度にした方がよい。以下の試験時間の長さに関する記述は正確。
<集合時間>
・9:00までに試験教室に入っている必要があります。
・会場は7:30から入場できます。時間に余裕をみて行きましょう。
(万が一遅刻して、1限目の試験開始時間に間に合わなかった場合は別室受験になるはずなのでその場合は指示に従う事)
<1限目 「人文・社会科学」または「自然科学」 80分>
・9:30 〜 10:50(80分)となっていますので、9:30頃に試験がスタートし、試験時間は、きっかり80分(図1)です。
・集合時間の9:00から、試験開始時間の9:30までに問題冊子・解答カードの配布及び、試験の説明があります。
・「人文・社会科学」と「自然科学」は出願時に選択します。
・自然科学選択の場合、4教科(数学、物理、生物、化学)の内2教科に答えますが、答える科目は問題を見てから選択できます。
(図1 ICU「人文・社会科学」(または「自然科学」)の試験時間)
<2限目 総合教養(ATALS) 試験時間80分>
・11:20 〜 13:00(100分)となっていますが、実際の試験時間は放送を含めてきっかり80分です。
・11:20以降にメモ用の冊子、問題冊子・回答用紙が配付され、科目の説明が行われます。
・放送の確認も試験開始前のいずれかのタイミングで行われます。
・資料配付後、概ね11:40頃に放送が開始されると考えればよいでしょう(80分の試験がスタート)。この放送時間はきっかり15分ではありません(図2)。
・放送中は問題冊子の中身を見ることはできず、メモ用の冊子にメモを取ります。
・放送終了後、指示に従って問題冊子のシールを開き、回答を開始します。
・指示があってから13:00頃までの約65分が回答時間です。放送の長さはきっちり15分ではないが、試験時間は正味80分で固定されているので、放送終了後の回答時間(約65分)は年度によって異なります(図2)。
( 図2 ICU総合教養(ATLAS)の試験時間の構成)
<昼食>
・2限解散時間 〜 3限目の集合時間まで
・2限の解散時間は教室によって異なります。
(大教室の方が解答カードの回収に時間がかかる事がある)
・昼食は1時間ないくらいです。素早くすませましょう。
・3限の集合時間は試験監督から指示がありますのでその指示に従って下さい。
<3限目 英語>
・ 14:15 〜 16:05(110分)となっていますが、これも例によって指示や問題冊子、解答用紙の配布、説明、放送チェック等の時間を含みます。
・先にリスニングが行われます。放送時間は約30分ですが、ここには各問題の指示も含まれます。リスニングの試験時間はきっかり30分ではありません(図3)。
・総合教養と違って、放送の指示に従って問題冊子を開きながら、解答カードに記入していきます(よくある普通の英語リスニングと考えれば良い)。
・メモはとってもOK。
・リーディングはリスニングの放送終了後に行われますが、リーディング試験時間はきっかり60分(図3)です。
( 図2 ICU英語の試験時間の構成)
<その他>
英語リーディング等を除いては、ICU独自の試験形式であるため、事前に演習を行って試験の形式を十分に理解したの上で入試に臨んだ方がベターです。特に総合教養(ATLAS)と英語リスニングは、当日戸惑うことのないようにしたいところです。
ICU学生新聞記事『2018年度ICU一般入試対策』
ICU(国際基督教大学)学生新聞 The Weekly GIANTS ICU祭特別号、
恒例のICU受験生向け入試対策記事をBUCHO.NETが執筆いたしましたので、
以下にご紹介いたします。
2017年10月21日発行The Weekly GIANTS ICU祭特別号4,5面
2018年度 ICU一般入試対策
筆者はICU OBで、1999年よりICU入試情報サイトBUCHO.NETを運営しており、ICU対策講座も実施している。その経験を踏まえて、2018年度一般入試の傾向と対策を以下に述べていきたい
<2017年度の入試結果の分析>
上のグラフおよび表に見られるように、近年のICU一般入試(A方式)の志願者数は概ね1,600人前後で推移している。2017年度は2016年度から志願者数、合格者数ともほぼ横ばいであった。2018年度入試の志願者数や倍率は、2017年度入試と同程度の水準になるものと予想される。
<科目別対策>
ICUの一般入試は以下の3教科で実施される(A方式)。
・英語(リスニングを含む)(約90分90点)
・総合教養(ATLAS)(80分80点)
・「人文・社会科学」または「自然科学」(80分80点)
・英語リーディング-長文問題が1題追加
英語リーディングでは出題形式に変更があった。2016年度までは長文読解2題、空所補充1題が定着していたが、2017年度入試では長文読解3題、空所補充1題の形式で出題された。長文(Text 3)が追加された上に、各長文の単語数が増加しており、昨年度と比較すると、全体で約1,000 wordsも増えている。その一方で、問題数は40問から36問になり、4問減っている。
<英語リーディングの単語数(words)>
<英語リーディングの問題数>
文章量が増えたことで長文をよりスピーディに読むことが要求されている反面、問題数が減ったので、1問あたりのウエイトは高まっている。Part Iの読解問題の対策として、速読力を高めると同時に、設問を先に読んだ上で、英文の中から必要な情報を素早く収集するトレーニングを重ねたいところである。一方、Part IIの空所補充問題は、問題数が昨年度の20問から12問へと減ったので、このパートを素早く解いて、文章量が増えたPart Iの読解問題にかける時間を確保したい。
・英語リスニング-講義パートが難化傾向
<2017年度英語リスニングの単語数(words)>
英語リスニングでは出題傾向に変化はなかったが、昨年度はPart 3の講義パートが長文化し、3つの講義の合計で1,545 wordsもの長文が出題された。2016年度の同パートの文字数が約1,400 wordsであったこと考えると、講義パートが難化しているといえる。また、リスニング全体の出題単語数は合計で2,500 wordsを超えており、リーディングに匹敵する分量が出題されている。私立大学では英語のリスニング試験を実施する大学は限られている上、これほどの長文をリスニングで出題する例はあまり見られないので、ICUを志望する受験生は、英語リスニングの対策を入念にやっておく必要がある。ICUのリスニングの出題内容は大学生活をベースとした日常会話や大学での講義を模した内容が中心であり、英語運用能力を測る試験であるTOEFLと内容が類似している。「大学での英語」という出題テーマは長年変わっていないので、ICUのリスニングの過去問を用いての学習が非常に有効である。
・総合教養(ATLAS)–論文読解の演習を
総合教養は2015年度から導入されたICUオリジナルの試験である。その形式は冒頭に15分ほどの講義を聴き、講義に関連した3つの論文を読んだ上で、40問の問題に答えるというものである。試験時間は放送を含めて80分である。専用のメモ用冊子が用意されており、放送中にメモを取ることは可能だが、試験冊子は放送が終了するまで見ることができない(問題冊子にシールが貼ってあり、指示があるまで開けないようになっている)。
ATLASの問題は4部構成で、Part Iは直前の放送に関連した問題、Part IIは人文科学、Part IIIは社会科学、Part IVは自然科学に関連した問題がそれぞれ10問出題され、Part II, III, IVの問題の前には、放送と関連した各分野の論文が掲載される。3つの論文は年々長文化しており、2017年度は各論文が3,600文字程度で、合計で10,900文字を超える論文が出題された。放送の時間を踏まえると、1時間程度でこの長い論文を読み、問題に答えなくてはならない。限られた時間の中で長い論文の中から必要な情報を探し出して、問題に答える技術が求められている。
<総合教養(ATLAS)の各Partの論文の文字数>
ATLAS対策としては、非常に長い論文が出題されることを念頭において、「人文・社会科学」の過去問をよく研究して、論文読解の練習をしっかりとしておきたい。その上で、Part IV(自然科学)対策として数学や理科を、高校の授業で習った範囲だけでも復習しておくとよい。いずれにせよ、ATLASは人文・社会・自然科学の諸分野を横断した非常に出題範囲の広い試験で、満点が取れるような問題構成ではなく、受験生の得点は必ずしも高くない。実際にICUの公式Webサイトで公開されている、2017年度の一般入試B方式(TOEFL等外部英語試験を用いる方式)の総合教養の合格最低点は、80点満点中46点(100点満点換算で57.5点)であった。つまりATLASでは高得点を取ることは必ずしも要求されていない。そのため全ての問題に答えるための対策を行うというよりは、それぞれ併願校や選択科目等によって違ったアプローチをすべきであり、自分の解ける問題を確実に解くことが大切である。一方で、ATLASの問題は非公開であり、赤本にも問題が掲載されていない。特にICUを第一志望とする人は、予備校の主催するICU受験対策講座を受講して、精度の高いATLASの演習問題で勉強することも検討してみるとよいかもしれない。
・人文・社会科学-過去問演習が有効
人文・社会科学は大学入試としては非常に長い論文を読んだ上で、約40問の問題に答える形式で出題されている。2017年度に出題された論文の長さは約10,200文字、B5用紙で9枚程度、問題数は40問であった。試験時間は80分で、回答に要する時間を考えると、20分?30分程度で約10,000文字以上の学術的論文を読み切る能力が必要となる。また、人文・社会科学は、ICUの様々な学問分野の教授らが論文の執筆を担当しているので、論文の内容が年度ごとに大きく異なる。試験対策としては、ICUの過去問を読み込むことと、学術的論文を読む訓練が有効である。その際、読んだ文章の要約をノートなどにまとめてみるとよい。ICU入試で出題された人文・社会科学の過去問をたくさん読むことで、多様な学問分野の論文に触れることができると同時に、ICU特有の出題形式にも慣れることができる。出題内容は10年程度で一巡するので、10年分以上の過去問を解くことで得点力が一気に上がるだろう。
・自然科学-高得点が期待される科目
自然科学の試験は、数学、物理、生物、化学の4教科から2教科を選択する形式である。4教科は同一の冊子に印刷されており、試験当日に、問題冊子で問題を見てから、回答する2教科をその場で選択することが可能である。他の教科と比較すると、標準的な問題が多く、一般的な受験勉強をしていれば対応できる問題が多い。よって、他教科と比較すると比較的取り組み易い反面、高得点が求められる傾向がある。また、自然科学は出題される問題数が他の教科より少ないので、実際の試験でもミスなく回答していきたい。
・その他
筆者の主催するWebサイト(BUCHO.NET)では学内取材や過去の傾向に基づいた、放送付きの総合教養対策問題を多数用意している。また、その他の教科も1988年の公開以降のほぼ全てのICUの過去問の閲覧・演習が可能である。https://icu.bucho.net(「ICU BUCHO」で検索)
2017年ICU祭(国際基督教大学学園祭)フォトレポート2
雨の中行われた2017年ICU祭のフォトレポート2。
本館前のICUグッズ売り場。OB OG会のICUグッズに加えて、ICU祭グッズも用意されています。
ICU本館1F装飾ゲート。
1Fには恒例のキッズコーナー。家族連れでとても賑わっていました。別教室ではキッズ向けのわたあめコーナーなども。
ICU受験生向けの企画としては、本館2Fで入試個別相談が用意されていて、受験生や保護者の質問や相談を受け付けていました。すぐ隣の授業ではELAのモデル授業が、2Fの別教室ではその他のモデル講義も行われていました。ICU受験生だけが参加するオープンキャンパスと比較すると、ICU祭は一般の方が多く来場しているので、より気軽に来場できるかもしれません。
ICU祭の日には新D館の大学書店、三省堂も営業していました。こちらでもICUグッズが買えます。ICU受験生にはうれしいICUネーム入り文具などが充実しています。比較的最近発売されたICU公式パーカーなども販売されていました。
大学食堂もカフェのコーナーなど一部が営業していました。時間帯によっては公演待ちをしているICU生でごった返していました。
武蔵境方面のバス乗り場。バスは頻繁に来ていたようですが、時間帯によっては列が長くなっているようでした。ICU学内は広く、特にICU祭は野外のイベントが多いので、長靴を履いていくなど、雨対策をした上で来場した方がよいです。
こちらは毎年ICU祭で配布している学内新聞Weekly GINATS ICU祭特別号。当方BUCHOも恒例のICU受験生向けのICU入試対策記事を執筆いたしましたので、次回のエントリーでご紹介します。
2017年ICU祭(国際基督教大学学園祭)フォトレポート
2017年度ICU祭(国際基督教大学学園祭)のフォトレポートです。
今年のICU祭は10月22日と23日の2日間行われてましたが、台風21号の影響などで、初日はステージ企画など野外の公演が中止に、2日目は全ての野外の企画が中止になってしましました。
例によってJR武蔵境駅の南口からICUに向かいます。ちょうどFC東京の試合が味の素スタジアムであったため、味スタに行く観客らで狛江駅行きのバス停(3番)がかなり混雑していました(狛江駅行きのバスもICUの前を通ります)。
ICU行きのバス停(2番)も混んでいましたが待っていれば乗れる感じでした。今回は4番バス乗り場がすいてたので、吉祥寺駅行きのバス(大沢経由)でICUに向かいました。
10分ほどでICUに到着。今年度はICU祭の名称案(「鷹揚祭」)を巡って、4月頃に若干の混乱があったようですが、最終的には無事に"ICU Festival 2017″に落ち着いたようですな。
今回のテーマは"Tear Down Any Wall"。
ICU学内を失踪する小田急バスの勇姿。ちなみに今回は小田急バスとのコラボとして同社のゆるキャラきゅんたがICU祭にやってくる予定でしたが、荒天のため来場ならず。
こちらがICU祭にくる予定だったきゅんた(写真は小田急バスWebサイトより)。意外に大きさのあるマスコットで、きゅんた君小田急バスに乗れない説がありますな。プロフィール写真なのでここだけ晴天。
ICU祭の総合案内所。こちらで学内の地図やパンフレットがもらえます。以前は旧ロータリーにありましたが、最近はICU教会の横に移動。雨天時のプログラムも用意されていました。
こちらは昨年からの新企画「ICU生ゴヨウタシ横丁」。地域の商店街のお店や飲食店、物販のお店などが出店されていました。ICU祭はフード関連は元から充実していたのですが、地域の実店舗などが参加したことで、一層バリエーションが増えたかも。いわばプロの出店ですが学園祭プライスになっていて、概ね300円-500円くらいのメニューも用意されており、学生でも飲食が楽しめるようになっていました。
例年通り学生団体らによる出店も多数ありました(写真は新D間付近)。プロ店舗との違いは、学生店舗の方が模擬店の看板に気合いが入っており、売り手の人数がたくさんいて、安いことですね。
こちらは花道付近の「日本ふるさと街道」の企画。飲食を中心に学生サークル出店が集中していてとても賑わっていました。装飾の一部にはICU学内の竹が使われているとのことでした。
こちらは伝統あるキャンプサークルの野尻キャンプによる焼きマシュマロ(100円)。実際のキャンプでも定番だそうで、ほんのとあたたまる雨の日にはうれしい一品。今回のICU祭では台風のため2日目の野外企画は全て中止になってしまったので、ロスの少ない食品を選んだ野尻は勝ち組。さすが野外活動に慣れているサークルですな。
一方こちらは2日とも残念ながら中止になってしまったアホ山ステージ付近。普段はステージの前に芝生に座って、各団体の公演を眺めながら模擬店の食べ物をゆるりと食べるのが定番なのですが、今回は雨天で野外にはとどまれず、その他室内にも食事をする場所が容易には見つからない状態で、食べ物のパックを持ってさまよう親子連れや、バカ山の木の下で焼きそばを立って食べる学生の姿などが散見され、雨天時のイベントの難しさを感じました。
いずれにしても折悪く台風がきてしまったのは仕方がないですね。
(次回に続きます)
ICU国際基督教大学新々学生寮「樅寮、楓寮」フォトレポート2
2017年に開寮した、ICU(国際基督教大学)新々学生寮の、ICU受験生向けのフォトレポート第二2回。今回は居住フロアをご紹介します。
各フロアのロビー。各フロアはエレベーターでアクセスするが、エレベーターのアクセスには学生証(ICカード)が必要で、自分の住む階のみアクセス可。ICU(国際基督教大学)新々寮(樅寮、楓寮)の居住エリアから土足禁止であるため、各階の入り口で靴を脱ぐ。
ちなみにICUの新寮(欅寮・銀杏寮・樫寮、以下「既存寮」)は玄関ホールで靴を脱ぐ形なので若干違いますな。
ロビーから各部屋への廊下。既存寮に比べると新々寮は若干廊下が狭く、天井が低いと感じるかも(比べなければ分からないのだが)。
各階に複数ある学習室。よく利用されているとのこと。ここは上層階だったので眺めもよかった。共有スペースなので、私物は毎回片付ける決まりとのこと。見学会を意識してか先日オンレクOBの寮生にいただいた写真よりも確実に片づいていますな。
注目の居室。新寮に比べるとICUの新々寮は若干コンパクトに見えますね。2人部屋で12畳くらいか。既存寮の二人部屋は約15畳。
*後日2017年度ICU入試合格者向けの入寮の案内で確認したところ、新々寮(樅寮、楓寮)の二人部屋の面積は20平米、新寮(欅寮・銀杏寮・樫寮)の二人部屋の面積は25平米
参考までにこちらが以前撮影した既存寮(OAK House)の二人部屋。こちらは部屋の中から撮影している(2つ上の新々寮の部屋の写真は廊下から撮影)。部屋が四角ではなく机を置く場所がせり出していることもあって、やはり新寮の方が新々寮の部屋より広いですな。
デスク付近。デスクの前にコルクボードを標準装備。
こちらが一人部屋。やはり見た感じでは6畳程度に見えて、コンパクトだと感じた。
*後日確認したICU入試合格者向けの資料では10平米
こちらはリビングのスペース。ゆったりとしています。リビング、ダイニング、キッチンなどの共用スペースは新々寮の方が広く、共同生活は楽しく送れそうですな。
リビングには大きなテレビが用意されいる。ちなみに各居室にはテレビを置かない決まりになっているとのこと。テレビを見る際は自然とリビングにくる形になるので、フロア内の交流の一助となっているのかも。
ちなみに1フロアの定員は32名で、1-4年生がそれぞれ8名程度になるように部屋割りがされる。
キッチンもかなり広い。1フロア最大32名が居住するが、冷蔵庫、炊飯器等は十分に揃っていると感じた。既存の寮は1フロア42名でキッチンスペースが1つだったので、自炊派には新寮の方がうれしいかも。
ただし案内をしてくれた自炊派の寮生によると、新々寮でも夕食時はキッチンは混雑する場合があるとのこと。
また、調味料などはフロアの居住者同士で共同で買うフロアと、すべての調味料を個人で管理するフロアがあり、それぞれフロアごとに話し合って決めるとのこと。共同で買う場合は1学期で数百円程度らしい。
各階に設置されたランドリースペース。既存寮は洗濯機乾燥機ともに無料だが、新々寮は有料のコイン式。洗濯機は1回100円、乾燥機は20分200円。洗濯機が無料だと細かな洗濯などで長時間占拠されるパターンもあるかもしれないので、これはメリハリがあってよいのかもしれない。
物干しスペース。かなりの量の洗濯物を干せそうなスペースが確保されていた。
以上新々寮の居住スペースのフォトレポートでした。新々寮と既存寮の特徴をまとめるとこんな感じになります。
新々寮(樅寮、楓寮)2017年開寮、定員:樅192人(7F)、楓:128人(5F)
各部屋が狭い。リビングやキッチンなど各階の共用スペースが充実している。既存の寮と比べるとコンパクトな面積の土地に背の高い建物が建っているため、外観も中身も、既存の寮に比べるとよくあるマンションのような雰囲気。
<新寮(欅寮・銀杏寮・樫寮) 2010-2011年開寮、定員:各126人(各3F))
各部屋が広い。廊下が広く天井が高い。リビングなど、各階の共用スペースは若干少なめ。3階の建物にしては、建物のフットプリントが大きい。学内の寮ならではの贅沢設計。全体に敷地に余裕のある学生寮専門の設計で、エントランスのロビーに吹き抜けがあり、廊下などがゆったりとしている。
いずれにしても一学年600人程度のICUで定員320名の新しい寮ができたというのは大きな変化であることは間違いないですな。新々寮の開寮によりICU生の3割程度がICU学内に住んでいるという体制ができている。
今回見た新々寮は部屋はやや狭いがリビングなどが共用部分が広く、ICUの新入生にとっては、上級生や帰国生、留学生などを含め、自然と寮生同士の交流がうまれそうな環境が魅力的だと感じた。
また、寮費は光熱費、ネット回線込みで一ヶ月5万円程度と低く設定されており、特に地方からICUを目指すICU受験生には朗報である。他大学は学生寮の定員が少なく、賃料がその他一般住宅とさほど変わらないくらい高いところが多いという話も聞くので、充実した学生寮はICUの新しい魅力の一つになりつつあると思った。