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ICU(国際基督教大学)の公式Webサイトで、2月6日に、2018年度のICU入試で出題ミスがあったことが公表されていました。
総合教養(ATALS)と英語リスニングでそれぞれ1問ずつ、形2問で全員正解の措置がとられたようです。公開された2つの問題をみてみましょう。まずATALSの方から
1) 「総合教養」 (一般入学試験 A・B 方式、社会人特別入学試験)
該当箇所:設問 38 の正解が 1 つに定まらないことが判明しました。
光学天体望遠鏡を高い山の上に設置することの利点として適切でないものは次のどれか。
a. 夜空が暗いこと。 b. 大気が安定していること。 c. 湿度が低いこと。
d. 大気圧が低いこと。
総合教養の問38なのでPart 4自然科学の問題で、望遠鏡を高い山に置くメリットではないものを選ぶもの。これは既存の望遠鏡の設置場所から着想を得て作問されたのではないかと思われますな。すばる望遠鏡のWebサイトには以下のように書かれています。
(credit:https://www.subarutelescope.org/Gallery/)
Q 3: すばる望遠鏡をなぜハワイのマウナケア山頂に造ったのですか?https://www.subarutelescope.org/Information/j_faq.html
A 3 :天体観測を行う場所として必要な条件は、「天気がよいこと、大気が安定していて星像がゆらがない (またたかない) こと、湿度が低いこと、夜空が暗いこと」などが上げられます。マウナケア山頂は、これらの条件がすべてそろった理想的な天体観測の場所です。また日本からハワイへのアクセスが容易であることも、選ばれた理由の一つといえます。
天体観測を行う場所の必要な条件だけを考えると、dの「大気圧が低いこと」は、これらのメリットに該当しません。実際にすばる望遠鏡は大気圧の低いところにあるにもかかわらず、その点は天体観測のメリットとしては明記されていない。さらに、作業や物資の運搬が大変で、望遠鏡のメンテナンスなどが大変になるという点で、実務上の問題が出てきそうです。すばる望遠鏡のサイトにも、見学者等に対して、低い大気圧に関する注意書きがあります。
https://www.subarutelescope.org/Information/Tour/Summit/j_precaution.html
マウナケア山頂は標高 4200 m の高地であり、大気圧は平地の 60 % 程度しかありません。このため大気中の酸素も薄く、訪問者は高山病にかかる危険があります。
更に、「マウナケア山頂は、これらの条件がすべてそろった理想的な天体観測の場所」と書いてあることから、「a. 夜空が暗い、 b. 大気が安定、 c. 湿度が低い」は、一般的に天体観測を行う上での有利な条件であり、マウナケア山頂はこれらが揃っている貴重な場所ということですね。だからわざわざハワイに観測所を作ったと。逆に言えば、全ての高い山がこれらの条件を備えているとは限らない。例えば大気が不安定で、湿度が高いという高い山もたくさんありそうです。それらの高い山に望遠鏡を設置するのは、天体観測の条件を考えると必ずしも適切ではない。よって、この問題は答えが一つに絞れないということですね。
続いてもう1問の英語リスニングの問題。
2) 「英語」 (一般入学試験 A 方式)
該当箇所:設問 15(リスニング)の選択肢に正解がないことが判明しました。
If the conversation is taking place on Wednesday April 4th, when is the last day of the
orientation?
a. April 9th b. April 11th c. April 13th d. April 15th
問15なのでPart IIの長い会話文の最後の問題。
4月4日水曜に会話があったということなので、恐らく、終了の日の曜日、もしくは、オリエンテーションが何日間続くかという事に言及していた問題だと考えられ、その曜日や日付に該当する選択肢がなかったということだと思われます。ICUの英語リスニングはキャンパスライフでの実践的な英語がテーマになっているのですが、2018年の4月4日は水曜日なので、2018年のカレンダーを念頭に作問されていますね。
いずれにしても1問は知識問題、1問は放送に従って答える問題だったので、どちらもあまり長考するような問題ではなく、試験時間などにはあまり影響は無い問題だったと思います(2問目は試験当日に全試験室において口頭でも伝達したとの注記あり)
特に総合教養ATLASはそもそも公表していない試験科目なのですが、その問題をわざわざ公表したというのは、積極的に合否に関わる内容を公開するという姿勢が見えますね。京大の入試出題ミスなどが影響したのか、2月3日実施から3日後の2月6日に公表されたので、今回はとても迅速な対応でした。
毎年大学入試を受験していると、答えがでないような問題もたくさん出てきますが、それらの問題は気にしないことが大事です。ICUの問題は比較的手間暇かけて作られていますが、とくに学部の多い大学ほど大量の入試問題を毎年新たに作問しなくてはいけないので、粗製濫造とも言える問題が出てきます。
予備校や出版社の出している参考書は厳重にチェックをしたり、読者からのフィードバックを受けていたりするので、参考書の問題の方が入試問題よりも良問が多く、完成度が高いです。参考書のような良問ばかりが出題されることを入試で期待しない方がよいです。実際の試験では、答えが出ないような問題に時間を使わないことがとても重要ですね。
BUCHO.NETでは、ATLAS(総合教養)の情報を募集いたしております。
情報提供者の皆様には図書券やギフト券もご用意いたしております。
下記フォームより、ぜひ皆様の情報をお寄せ下さいませm(_ _)m。
https://icu.bucho.net/mail/ATLAS01.html
ICU学生新聞入試特別号 2018年度ICU一般入試受験者数及び傾向と対策
ICU学生新聞The Weekly GIANTS 2018年度入試特別号掲載記事(2018年2月2日発行号)
BUCHO.NETが執筆し、ICU学生新聞の入試特別号に掲載された、
2018年度の入試の志願者数の分析および入試対策法に関する記事です。
<志願者数>
2018年度のICUの一般入試(A方式)志願者数は、1,451人(2018年1月26日現在)で、昨年度の志願者数1,571人から減少した。A方式の志願者数が減った背景には、ICUの入試制度の多様化と、他大学入試との日程重複という要因があると考えられる。ICUの入試では、2018年度から「ユニヴァーサル・アドミッションズ4月入学書類選考」が新たに追加されており、64名が出願している。これは従来は外国の高校出身の9月入学者を対象に行われていた書類選考による入試であるが、今年度から4月入学でも利用可能になった上に、日本国内の高校出身の学生なども出願できるようになった。これにより、従来は一般入試を受験していたような一部の受験生が、新しい入試制度を選択している可能性がある。さらに、今年度は比較的ICUとの併願者が多いと思われる上智大学のTEAP利用型入試と日程が重複しており、当該入試には延べ6,543人(*同時に複数学科への出願が可能であるため延べ人数。2017年度は延べ4,460人)が出願している。これは外部英語試験を利用した、上智大学の学部統一型の入試であるが、昨年度も2月3日に実施されていた。近年ICUは2月の第一週の土曜日に入試を実施しているが、昨年度は入試日が2月4日であったので、上智大学のTEAP利用型入試とは日程が重複していなかった。
<合格最低点>
ICUが2015年度から公表している合格最低点(補正後)は、概ね55%前後で推移している。
*合格最低点は中央値補正による換算後の点数
<科目別の傾向と対策>
・英語リーディングの単語数(words)*
*単語数は問題文(本文)の単語数の合計で、設問や選択肢の単語数は含まない(以下他の教科も同じ)
・英語リーディングの問題数
また、長文の内容に関して、読解問題が3題になったことで、ATLAS(総合教養)と同様に、3つの英文がそれぞれ人文・社会・自然科学に関連した内容から出題されている。よって、問題を解く際は、解きやすい分野の長文から解いた方がよいだろう。特に自然科学分野の長文が1題出題されると予想されるので、この点を踏まえて、解答の順番をよく考えて受験したい。その一方で、問題数は全体で40問から36問に変更されている。よって、長い英文の全てを精読するというよりは、問題で問われている箇所を重点的に読むなど、設問を意識しながら英文を読むことが重要である。2017年度入試から英語リーディングの出題形式が変更され、長文読解のPart 1にText 3が追加された。また、問題数は40問から36問に変更されている。全体に英文が長文化しており、合計で2,600 wordsを超える英文が出題された。比較的長い英文が出される事で知られる慶應大学総合政策学部の2017年度の英語長文の単語数が合計で約2,700 wordsであったが、同学部の外国語の試験時間が120分であることを考えると、試験時間が60分であるICUの英語リーディングでは、相当な解答スピードが求められる。
空所補充問題であるPart IIに関しては、設問が20問から12問に削減されたので、従来の問題よりは文中の空欄が減り、文意が理解しやすくなった。このパートを素早く解いて、Part Iの長文読解に時間を確保するようにしたい。
・英語リスニングの単語数(words)と放送時間
*放送時間には試験の指示や解答時間が含まれる
英語リスニングの単語数は全体で2,500 wordsを超えている。特に、講義の聞き取りのPart IIIが長文化している。2017年度の出題では、Part IIIの3つのうち2つの講義は500 wordsを超えており、英語リーディングの長文に匹敵する分量が、英語リスニングで出題されている。例年英語は入試の最後の時間帯に実施されるので、一度しか放送されない英語リスニングを含め、最後まで集中して試験に臨むことが求められている。英語リスニングの放送時間は試験の指示や解答時間を含めて30分程度である。なお、英語リーディングの解答時間は、上記の英語リスニングの放送時間の長さとは関係がなく、60分である。
・総合教養の各Partの論文の文字数と放送時間
総合教養(ATLAS)は4つのPartに分かれており、Part Iでは放送講義に直結した問題、Part IIからIVはそれぞれ講義に関連した人文科学、社会科学、自然科学の論文を読んで答える問題が出題される。試験前に配布される問題冊子はシールで閉じられており、講義の放送終了までは問題冊子の内容を見るはできないが、別途メモ用の冊子が配られるのでメモを取ることは可能である。講義は一度しか放送されないので、問題を解く際に講義の内容を思い出せるよう、メモを取る必要がある。試験時間は80分であるが、昨年度の場合、講義の放送時間は約15分であったので、実質的な解答時間は約65分であった。
最近の出題では、Part II以降で掲載される論文の文字数が大幅に増加している。2017年度の問題では、各論文がいずれも3,500文字以上あり、3つのパートの文字数を合計すると約10,900文字にも達する。2015年度は7,700文字程度であったことを考えると、大幅に文字数が増えている。よって、人文・社会科学に匹敵するほどの分量の論文を、短時間で読むことが求められていることを念頭において、時間配分には十分に注意したい。
総合教養は出題範囲が人文、社会、自然科学と広範囲に及ぶので、すべての問題に答えるのは困難である。文系であれば人文科学や社会科学、理系であれば自然科学のパートを重点的に解くなど、自分の専攻範囲に合わせて、取捨選択を意識することが重要である。
3A.人文・社会科学 ?10,000文字以上の出題が定着
・人文・社会科学の論文の文字数と問題数
人文・社会科学の出題では、論文が約10,000文字、問題数40問の出題が定着している。論文の内容は大学の概論(入門)レベルのものが多く、また、他大学の入試ではみられない文章量であるので、まずはこの長い学術的論文を時間内に読みこなすことが重要である。設問も40問と多いため、スピーディに解いていく必要がある。解答に時間がかかる問題は後回しにして、短時間で解ける問題を優先的に解くようにしたい。近年の出題では論文の内容の順に設問が出されることが多いので、論文を読み進めながら順次設問を解くようにすると効率がよいだろう。
3B.自然科学 筆記問題が増加傾向
自然科学では他の教科にはない筆記問題が導入されているが、2017年度では物理で4問、化学で3問、生物で5問の筆記問題が出題され、従来の出題よりも増加傾向にある。数学のみ筆記問題はなかったが、計算結果を答える数値選択問題が多数あるため、他教科と比較して解答に時間がかかることが予想される。自然科学では4つの教科が一つの冊子に印刷され、試験時間中この内の2教科を選択する形式であるため、実際に各教科の問題を見てから解答する教科を決めることができる。よって、国立大学併願者などで、3つ以上の自然科学の科目を勉強している場合は、問題をみてから科目を選択するようにしたい。
*ICU OBの筆者が運営するICU入試情報サイト、「BUCHO.NET」では、ATLAS(総合教養)の出題情報、ICU合格体験記を募集しております(ギフトカードを贈呈)。ICU入試情報も掲載中です。【BUCHO】
【https://icu.bucho.net】(「ICU BUCHO」で検索!)
毎年好評の学内新聞WG入試特別号販売のお知らせです。
販売場所:ICU学内、ICU教会前付近/新D館前等を予定
(販売場所に学生新聞The Weekly GIANTSの看板が出ています)
発売する時間の目安:
2018年2月2日(金) 9:00頃-17:00頃
2018年2月3日(土) 7:30頃-14:00頃
(販売予定時間は天候や販売状況等により変更される可能性があります)
*荒天の場合、今のところ学食で販売予定、最新の販売状況はWG公式Twitterを確認
*追記:2日は悪天候のため13:00で販売を終了したとのことです
販売予定価格:300円
内容:ICU入試対策、ICU合格体験記、入試の心構えやICU学内マップ、大学案内など。
全般に、ICU入試をリラックスして受けていただくための、軽めの読み物が中心です。当方BUCHOも記事を執筆いたします。
その他:
*例年前日の方が在庫、人員、時間などに余裕があります。
*販売しているのはICU生なので、ICUやICU入試に関する質問も大歓迎(のはずです)
ICU入試が近づいてきたので、ここで受験での持ち物を確認してみましょう。
毎年大学受験をしている当方の受験持ち物を大公開。
・受験票(◎必須)
これを忘れると大変面倒なことになるので、とにかく前日の夜から鞄に入れておきましょう。また、念のため受験票をスマホで撮影するなど、受験番号を控えておいた方がよいです。
ちなみに写真右は受験票を入れるのにちょうどよいハガキサイズのクリアファイルです。休憩時間で離席する際に受験票を携行する必要がありますが、これに入れるとコンパクトかつ折れずに受験票を持ち運べます(鎌倉のお寺の入場券に付属していたやつを愛用)。
Amazonで「A6クリアファイル」で検索すると似たようななつが出てきた。テージー クリアホルダー(スモールサイズ) A6 10P クリア CC-101
A4のやつを1/4にカットしてもよいでしょう。
・筆記用具(◎必須)
鉛筆と消しゴムがあれば問題なし。長年の研究の結果、鉛筆4本、シャープペン2本、消しゴム2個、鉛筆削り、シャープペンの芯、という構成になった。試験対策上、4本の鉛筆の内、2本は筆記用に先を削って、2本はマーク用に先を丸くしてあります。ちなみにICU入試はシャープペンは使えません。
・時計(◎必須)
毎年大学を受験していますが、大学の教室に時計が設置されていた事は一度もなかったので、腕時計は絶対必須です。不正確な時刻が表示されている時計で混乱しないように、わざわざ入試会場の時計を外しているところもあるようですな。ICU入試でも試験会場に時計はありません。最近は正確な日本標準時でチャイム等を制御している学校が多いので、電波時計がよいでしょう。写真は電波ソーラーで操作音が消せるやつ。
・現金(◎必須)
万が一遅刻しそうになったらタクシーに飛び乗る事などもあるかも知れないので、現金は少し多めにもっていた方がよいでしょう。特にICU入試の場合は駅からバス移動するので、万が一の際のタクシー代はあった方がよいです。忘れ物をしても現金さえあれば大抵のものはコンビニや購買で買える。地獄の沙汰も金次第。
・スマホ(○できれば欲しい、かなり欲しい。)
不慣れな交通機関を使ったりしますし、荒天時のアナウンス等が大学のサイトに掲載される事もあり、スマホはあった方が便利です。
試験会場では電源OFF。試験中に鳴ったらつまみ出されるという諸刃の剣。
・飲み物(○持って行った方がよい)
今まで自販機もしくは購買のなかった会場は1つもなかったので現地調達も可能ですが、お茶などの飲み物は必須。試験前にエナジードリンクも飲んでブーストしています。
・昼食(○持って行った方がよい)
ICU入試の場合は学食が使えるはずなので、おにぎりかサンドイッチを持っていって、行けそうなら学食にいく感じでよいと思います。ちなみにほとんどの大学は学食がスタッフの待機場所になっているので、受験生は使えません。その代わりほとんどの大学は試験日に購買がやっていて簡単な昼食は買えます。
・ハンカチ、ティッシュ(○持って行った方がよい)
普段より多くお手洗いに人が並びますので、ハンカチを持ってないと目立っちゃうかも。
・お菓子(○必要に応じて持って行く)
試験前に食べると頭の回転が一瞬良くなる、気がする。コンパクトなチョコレートが吉。
・身分証(○念のため持って行く)
一度も提示を求められたことはありませんが、念のため学生証などの身分証は持って行った方がよいでしょう。
・交通系ICカード(○あると便利)
交通機関を使うので、ICカードがあると便利。武蔵境駅からICU入試会場に向かう小田急バスでも交通系ICカードが利用可能です。また、各大学の購買はICカードの導入が進んでいて、使えなかった記憶がないですね。
・薬(○必要に応じて持って行く)
自分の場合はパンシロン(胃腸薬)、ジキニン(風邪薬)、小青竜湯(鼻水に効果)、ガスター10(吐き気など)、などを持って行きます。常備薬はもちろん、緊張感と不慣れな環境から、体調を悪くすることは十分あり得るので、胃腸薬などはあった方がよいかも。ちなみに、チョコと栄養ドリンクのコンビネーションに、会場の暑さがあいまって、試験中に深刻な吐き気を催したことがあります(ノ∀`)。
・脱着可能な服装(○気をつけたい)
これは持ち物じゃないような気がしますが、会場の温度は寒いか暑いかの2択なので、試験対策上、脱ぎ着しやすい服装で言った方がよいです。あまりの暑さに会場で下に着ていたヒートテックを脱いだ事もあります。
ちなみにICUは大丈夫ですが、他大学受験時は、文字と地図が目立つ服は、念のためやめた方がよいです。
M大(併願研究のため国際日本学部を受けた)の試験会場で、英語っぽい文字がたくさん書いてある長袖Tシャツを着ていた男子が会場で服を脱ぐよう指示されていた( ゚д゚)。試験官は「英語の文字がたくさん書いてあるので脱いで」と言っていた。後で確認したら確かに要項には書いてあったけどほんとにやるんだなと。
下手をすると自分とこのマスコットも文字らしきものが書いてあるんで脱げという話になったりするのかと思ったが、こちらは1文字だけなのでセーフ。*センター試験の注意事項にも「英文字や地図等がプリントされている服等は着用しないでください」と書いてありますので、この大学だけが特殊という訳ではありません。
<まとめ>
細々と書きましたが、試験会場に時間内につけば大抵の事はなんとかなるので、受験票と筆記用具と時計と現金だけは忘れずに持って行き、とにかく集合時間までに試験会場に着くことが最重要です。
ICU入試対策直前対策講座(冬期講習)を12月より開講いたします。
詳しくは下記URLをご参照下さいませ。
ICU(国際基督教大学)入試の時間割です。ICUの入試では、放送(リスニング)が複数の科目で導入されており、初見では分かりにくい部分という受験生の感想をよく聞くので、補足して説明させていただきます。なお実際の入試の時間割はICUの入試要項及び受験票を必ず確認して下さい。
注1:以下の補足は受験体験に基づく感想であり、非公式なもの。
注2:時刻が日本標準時ジャストであるかどうかは不明。集合時間以外の時刻は参考程度にした方がよい。以下の試験時間の長さに関する記述は正確。
<集合時間>
・9:00までに試験教室に入っている必要があります。
・会場は7:30から入場できます。時間に余裕をみて行きましょう。
(万が一遅刻して、1限目の試験開始時間に間に合わなかった場合は別室受験になるはずなのでその場合は指示に従う事)
<1限目 「人文・社会科学」または「自然科学」 80分>
・9:30 〜 10:50(80分)となっていますので、9:30頃に試験がスタートし、試験時間は、きっかり80分(図1)です。
・集合時間の9:00から、試験開始時間の9:30までに問題冊子・解答カードの配布及び、試験の説明があります。
・「人文・社会科学」と「自然科学」は出願時に選択します。
・自然科学選択の場合、4教科(数学、物理、生物、化学)の内2教科に答えますが、答える科目は問題を見てから選択できます。
(図1 ICU「人文・社会科学」(または「自然科学」)の試験時間)
<2限目 総合教養(ATALS) 試験時間80分>
・11:20 〜 13:00(100分)となっていますが、実際の試験時間は放送を含めてきっかり80分です。
・11:20以降にメモ用の冊子、問題冊子・回答用紙が配付され、科目の説明が行われます。
・放送の確認も試験開始前のいずれかのタイミングで行われます。
・資料配付後、概ね11:40頃に放送が開始されると考えればよいでしょう(80分の試験がスタート)。この放送時間はきっかり15分ではありません(図2)。
・放送中は問題冊子の中身を見ることはできず、メモ用の冊子にメモを取ります。
・放送終了後、指示に従って問題冊子のシールを開き、回答を開始します。
・指示があってから13:00頃までの約65分が回答時間です。放送の長さはきっちり15分ではないが、試験時間は正味80分で固定されているので、放送終了後の回答時間(約65分)は年度によって異なります(図2)。
( 図2 ICU総合教養(ATLAS)の試験時間の構成)
<昼食>
・2限解散時間 〜 3限目の集合時間まで
・2限の解散時間は教室によって異なります。
(大教室の方が解答カードの回収に時間がかかる事がある)
・昼食は1時間ないくらいです。素早くすませましょう。
・3限の集合時間は試験監督から指示がありますのでその指示に従って下さい。
<3限目 英語>
・ 14:15 〜 16:05(110分)となっていますが、これも例によって指示や問題冊子、解答用紙の配布、説明、放送チェック等の時間を含みます。
・先にリスニングが行われます。放送時間は約30分ですが、ここには各問題の指示も含まれます。リスニングの試験時間はきっかり30分ではありません(図3)。
・総合教養と違って、放送の指示に従って問題冊子を開きながら、解答カードに記入していきます(よくある普通の英語リスニングと考えれば良い)。
・メモはとってもOK。
・リーディングはリスニングの放送終了後に行われますが、リーディング試験時間はきっかり60分(図3)です。
( 図2 ICU英語の試験時間の構成)
<その他>
英語リーディング等を除いては、ICU独自の試験形式であるため、事前に演習を行って試験の形式を十分に理解したの上で入試に臨んだ方がベターです。特に総合教養(ATLAS)と英語リスニングは、当日戸惑うことのないようにしたいところです。
ICU(国際基督教大学)学生新聞 The Weekly GIANTS ICU祭特別号、
恒例のICU受験生向け入試対策記事をBUCHO.NETが執筆いたしましたので、
以下にご紹介いたします。
2017年10月21日発行The Weekly GIANTS ICU祭特別号4,5面
筆者はICU OBで、1999年よりICU入試情報サイトBUCHO.NETを運営しており、ICU対策講座も実施している。その経験を踏まえて、2018年度一般入試の傾向と対策を以下に述べていきたい
上のグラフおよび表に見られるように、近年のICU一般入試(A方式)の志願者数は概ね1,600人前後で推移している。2017年度は2016年度から志願者数、合格者数ともほぼ横ばいであった。2018年度入試の志願者数や倍率は、2017年度入試と同程度の水準になるものと予想される。
ICUの一般入試は以下の3教科で実施される(A方式)。
・英語(リスニングを含む)(約90分90点)
・総合教養(ATLAS)(80分80点)
・「人文・社会科学」または「自然科学」(80分80点)
英語リーディングでは出題形式に変更があった。2016年度までは長文読解2題、空所補充1題が定着していたが、2017年度入試では長文読解3題、空所補充1題の形式で出題された。長文(Text 3)が追加された上に、各長文の単語数が増加しており、昨年度と比較すると、全体で約1,000 wordsも増えている。その一方で、問題数は40問から36問になり、4問減っている。
<英語リーディングの単語数(words)>
<英語リーディングの問題数>
文章量が増えたことで長文をよりスピーディに読むことが要求されている反面、問題数が減ったので、1問あたりのウエイトは高まっている。Part Iの読解問題の対策として、速読力を高めると同時に、設問を先に読んだ上で、英文の中から必要な情報を素早く収集するトレーニングを重ねたいところである。一方、Part IIの空所補充問題は、問題数が昨年度の20問から12問へと減ったので、このパートを素早く解いて、文章量が増えたPart Iの読解問題にかける時間を確保したい。
<2017年度英語リスニングの単語数(words)>
英語リスニングでは出題傾向に変化はなかったが、昨年度はPart 3の講義パートが長文化し、3つの講義の合計で1,545 wordsもの長文が出題された。2016年度の同パートの文字数が約1,400 wordsであったこと考えると、講義パートが難化しているといえる。また、リスニング全体の出題単語数は合計で2,500 wordsを超えており、リーディングに匹敵する分量が出題されている。私立大学では英語のリスニング試験を実施する大学は限られている上、これほどの長文をリスニングで出題する例はあまり見られないので、ICUを志望する受験生は、英語リスニングの対策を入念にやっておく必要がある。ICUのリスニングの出題内容は大学生活をベースとした日常会話や大学での講義を模した内容が中心であり、英語運用能力を測る試験であるTOEFLと内容が類似している。「大学での英語」という出題テーマは長年変わっていないので、ICUのリスニングの過去問を用いての学習が非常に有効である。
総合教養は2015年度から導入されたICUオリジナルの試験である。その形式は冒頭に15分ほどの講義を聴き、講義に関連した3つの論文を読んだ上で、40問の問題に答えるというものである。試験時間は放送を含めて80分である。専用のメモ用冊子が用意されており、放送中にメモを取ることは可能だが、試験冊子は放送が終了するまで見ることができない(問題冊子にシールが貼ってあり、指示があるまで開けないようになっている)。
ATLASの問題は4部構成で、Part Iは直前の放送に関連した問題、Part IIは人文科学、Part IIIは社会科学、Part IVは自然科学に関連した問題がそれぞれ10問出題され、Part II, III, IVの問題の前には、放送と関連した各分野の論文が掲載される。3つの論文は年々長文化しており、2017年度は各論文が3,600文字程度で、合計で10,900文字を超える論文が出題された。放送の時間を踏まえると、1時間程度でこの長い論文を読み、問題に答えなくてはならない。限られた時間の中で長い論文の中から必要な情報を探し出して、問題に答える技術が求められている。
<総合教養(ATLAS)の各Partの論文の文字数>
ATLAS対策としては、非常に長い論文が出題されることを念頭において、「人文・社会科学」の過去問をよく研究して、論文読解の練習をしっかりとしておきたい。その上で、Part IV(自然科学)対策として数学や理科を、高校の授業で習った範囲だけでも復習しておくとよい。いずれにせよ、ATLASは人文・社会・自然科学の諸分野を横断した非常に出題範囲の広い試験で、満点が取れるような問題構成ではなく、受験生の得点は必ずしも高くない。実際にICUの公式Webサイトで公開されている、2017年度の一般入試B方式(TOEFL等外部英語試験を用いる方式)の総合教養の合格最低点は、80点満点中46点(100点満点換算で57.5点)であった。つまりATLASでは高得点を取ることは必ずしも要求されていない。そのため全ての問題に答えるための対策を行うというよりは、それぞれ併願校や選択科目等によって違ったアプローチをすべきであり、自分の解ける問題を確実に解くことが大切である。一方で、ATLASの問題は非公開であり、赤本にも問題が掲載されていない。特にICUを第一志望とする人は、予備校の主催するICU受験対策講座を受講して、精度の高いATLASの演習問題で勉強することも検討してみるとよいかもしれない。
人文・社会科学は大学入試としては非常に長い論文を読んだ上で、約40問の問題に答える形式で出題されている。2017年度に出題された論文の長さは約10,200文字、B5用紙で9枚程度、問題数は40問であった。試験時間は80分で、回答に要する時間を考えると、20分?30分程度で約10,000文字以上の学術的論文を読み切る能力が必要となる。また、人文・社会科学は、ICUの様々な学問分野の教授らが論文の執筆を担当しているので、論文の内容が年度ごとに大きく異なる。試験対策としては、ICUの過去問を読み込むことと、学術的論文を読む訓練が有効である。その際、読んだ文章の要約をノートなどにまとめてみるとよい。ICU入試で出題された人文・社会科学の過去問をたくさん読むことで、多様な学問分野の論文に触れることができると同時に、ICU特有の出題形式にも慣れることができる。出題内容は10年程度で一巡するので、10年分以上の過去問を解くことで得点力が一気に上がるだろう。
自然科学の試験は、数学、物理、生物、化学の4教科から2教科を選択する形式である。4教科は同一の冊子に印刷されており、試験当日に、問題冊子で問題を見てから、回答する2教科をその場で選択することが可能である。他の教科と比較すると、標準的な問題が多く、一般的な受験勉強をしていれば対応できる問題が多い。よって、他教科と比較すると比較的取り組み易い反面、高得点が求められる傾向がある。また、自然科学は出題される問題数が他の教科より少ないので、実際の試験でもミスなく回答していきたい。
筆者の主催するWebサイト(BUCHO.NET)では学内取材や過去の傾向に基づいた、放送付きの総合教養対策問題を多数用意している。また、その他の教科も1988年の公開以降のほぼ全てのICUの過去問の閲覧・演習が可能である。https://icu.bucho.net(「ICU BUCHO」で検索)
雨の中行われた2017年ICU祭のフォトレポート2。
本館前のICUグッズ売り場。OB OG会のICUグッズに加えて、ICU祭グッズも用意されています。
ICU本館1F装飾ゲート。
1Fには恒例のキッズコーナー。家族連れでとても賑わっていました。別教室ではキッズ向けのわたあめコーナーなども。
ICU受験生向けの企画としては、本館2Fで入試個別相談が用意されていて、受験生や保護者の質問や相談を受け付けていました。すぐ隣の授業ではELAのモデル授業が、2Fの別教室ではその他のモデル講義も行われていました。ICU受験生だけが参加するオープンキャンパスと比較すると、ICU祭は一般の方が多く来場しているので、より気軽に来場できるかもしれません。
ICU祭の日には新D館の大学書店、三省堂も営業していました。こちらでもICUグッズが買えます。ICU受験生にはうれしいICUネーム入り文具などが充実しています。比較的最近発売されたICU公式パーカーなども販売されていました。
大学食堂もカフェのコーナーなど一部が営業していました。時間帯によっては公演待ちをしているICU生でごった返していました。
武蔵境方面のバス乗り場。バスは頻繁に来ていたようですが、時間帯によっては列が長くなっているようでした。ICU学内は広く、特にICU祭は野外のイベントが多いので、長靴を履いていくなど、雨対策をした上で来場した方がよいです。
こちらは毎年ICU祭で配布している学内新聞Weekly GINATS ICU祭特別号。当方BUCHOも恒例のICU受験生向けのICU入試対策記事を執筆いたしましたので、次回のエントリーでご紹介します。