<ICU入試説明6>
リベラルアーツ学習適性
入試説明では「数量的領域、言語的領域、分析的領域から出題 迅速かつ的確な判断力や論理的な思考力を試す。」
と説明されていました。また80問は難易度にかかわらずそれぞれ1点との説明も。
?各分野の例題が示されました。
この問題は百人一首で、a.b.c.dはそれぞれ以下の句がアナグラム化されたものですね
a.春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山
b.有明の つれなく見えし 別れより 暁ばかり 憂きものはなし.
c.あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む
d.天津風(あまつかぜ) 雲の通ひ路(かよひじ) 吹き閉ぢよ をとめの姿 しばしとどめむ
a.c.dはいずれも2句目の一部が欠けていますが、bのみ2句目および3句目の一部も欠けています。
百人一首を知らないと答えられない上に、法則性もすぐに思いつくものではないので、難しい問題と言えます。
「こういう問題がある」ということを知らないと、初見で短時間で解くのは厳しいでしょう。
もう1問みてみましょう。
これは英単語+四文熟語の知識問題。
“endurance"はかなり難しい単語ですが、これは「忍耐、辛抱」などという意味になります。
耐えるという意味の"endure"の方がまだおなじみなので、こちらから類推できたかもしれません。
選択肢中で対応する四字熟語は「臥薪嘗胆」ですね。
リベラルアーツ学習適性の知識問題にはこの問題のように複数の要素が組み合わさったものが多く見られます。
こちらはおなじみの数列の問題。
比を考え行くとそれぞれ-2×-2×-2×-2の比がかけられていることが分かります。
つまり1項×(-2), 2項×4, 3項×(-8)…と続いているので、最後は12×8=96です。
?
?これはトポロジーという分野に関連する問題です。トポロジー元々数学の用語ですすが、ここでは図形の位相・空間的要素の位置的、接続的関係が問われています。
鉄道路線図を思い浮かべるとわかりやすいですね。
曲線を直線でイメージし、位置関係、接続関係(特に2本ある斜線)に注目して問題を見ると、選択肢bと問題の図とは同じものを示していることが分かります。
なお説明会ではこの他にもいくつかの例題が示されました。
これらの問題はいずれもBUCHO.NETオンラインレクチャー内で解説されております。
リベラルアーツ学習適性の対策をする際は、まずその出題範囲が非常に広いということを認識しておきましょう。
上記の数題だけをみても、完全に対策するには百人一首の暗記、主要四字熟語の暗記、語彙レベルの高い英単語の暗記、数列の基礎的理解、空間把握と、
広い範囲の学習が必要になります。80問を個別に分析していくと、その出題範囲は非常に広く、完全な対策は不可能です。
よってまず完全な対策を目指す科目ではないという理解が必要です。
また上記数問を見ても、それぞれにパターンがあり、これらのパターンを習得することも重要です。
さらに中学、高校の広い範囲から出題されますので、普段の授業を大事にするということも非常に大切です。
長年ICUの合格者を見ていて思うのは、指定校やAO入試、一般入試、さらにはセンター入試と、それぞれに違う制度にもかかわらず、入学するICU生には共通する
特徴のようなものを感じます。その特徴は、多くの学生が「幅広い教科への理解がある」というものです。
学際的なリベラルアーツ教育を実施するICUではある意味当然のことかも知れません。
指定校やAO入試で高い評定平均を求められ、結果全教科の成績がよい学生が合格します。またセンターでも国立型の試験が課されることにより、幅広い分野で高得点を出すことが求められます。
一般入試でもこの広い分野での理解が求められており、特にリベラルアーツ学習適性にはこの特徴が端的に表れているのではないかと思います。
受験対策的には、このリベラルアーツ学習適性対策は出題範囲が広大で、0からの対策で高得点を取るには時間がかかります。
よってあまりこのリベラルアーツ学習を「受験科目」として対策に時間をかけず、むしろ普段の授業を大切にし、過去問のパターンから短時間で効率的に平均点に達し、他の教科の学習時間を確保することが、攻略の秘訣だと思います。