ICU入試の試験時間と配点が変更、英語に影響か

5月 9, 2023

前回に引き続き、4月末にICU入試公式サイトで追加発表された2025年度以降のICU入試制度に関する続報です。2025年度入試からは試験時間と配点も変更されます。ICU入試受験生はICU入試対策として内容変更を抑えておきましょう。

試験時間と配点が変更される

ICU公式サイト資料「2025年度以降の入学者選抜の変更点について」より

この変更点では、全教科で試験時間が短くなり、また英語の配点が10点下がっています。以下の表はそれらの変更点をまとめたものです。

表で示したように、2025年度以降は各科目が試験時間70分、配点80点で実施されます。すでに公表されているように、2025年度以降は人文社会科学と自然科学を別方式で受けて併願できるようになります。人文社会科学と自然科学を別の時間帯で実施するためには、1日4科目の試験を実施する必要があり、そのために各教科の試験時間を短縮して1科目分の試験時間を確保した形です。実際に2014年度までICU入試は4科目型で1日4教科実施されていたので、試験時間が元に戻ったという感じがします。2014年度までの人文科学、社会科学、自然科学は40問70分で行われていたので、この形に戻ると考えられます。よって2025以降の英語以外の科目は40問70分で実施されると予想します。つまり英語以外の科目は試験時間が10分短縮されますが、問題構成は40問のまま大きく変わらないと思います。

英語は変更の影響が大きい

今回の変更で影響が大きいのは英語です。英語は90分(リスニング約30分を含む)、配点90点で行われていましたが今回の変更で英語の試験時間は70分(リスニング約25分を含む)、配点80点になります。実際の試験でこの通りに変更されるのであれば、英語の試験時間は20分短縮されることになります。点数も90点から80点に減ることから、出題形式に変更がありそうです。

今回の変更でリスニングが約25分であることが示されていますので、この通りに実施されるのであれば、現在60分のリーディングの時間は45分に短縮されることになります。

仮にリーディングが45分であるとすると、60分で実施されている現在の問題構成では無理が出てくるため、恐らくリーディングPart Iの英文数が3つから2つに削減される等の変更があると思われます。実際に2017年度まではリーディングPart Iの英文数は2つだったので。

ICU入試対策としては、試験時間の短縮で速読の重要性が引き続き重要になりそうです。

配点が変更され、各教科均等になる

さらに、今回の変更で英語の配点が90点から80点に変更され、他の科目は80点で据え置かれているため、若干ではありますが、試験全体に占める英語のウェイトが低下しています。

併願の対応+各教科の時間配点均等化でICU入試を受けやすくする狙いか

今回の変更の狙いは時間割を変更することで、従来同じ時間に行われていた「人文・社会科学」と「自然科学」を別の時限に実施し、併願を可能にすることです。各試験時間を短縮して4時限目を確保した形ですね。特に国立型の勉強をしてきた学生や、文理を問わず勉強を進めてきた学生にとって、「人文・社会科学」と「自然科学」をそれぞれ別方式として併願できるのは大きなメリットになりますし、ICUにとっても併願者を増やすことで受験者数を確保するという利点がありそうです。

さらに、英語に関しては試験時間を20分短縮して、配点も減らしています。ICU入試の英語は相当難しいというイメージを持つ受験生も少なくない中で、英語の試験を短縮することで、英語だけでは決まらないというICU入試の方向性をアピールする狙いがありそうです。

現状でも英語は配点の36%であるため、他の英語重視の難関大と比較して英語のウェイトは高くはなかったものの、ICU入試の中で英語は配点の高い科目ではありました。

英語を他教科と全く同じ配点にして、さらに英語の問題数と試験時間を従来よりは減らすことで、すべての教科をフラットにし、特定の教科に依拠せず総合的に合否を判定するという、ICU入試の特性をより明確にする狙いがあるのかもしれません。

いずれにしても英語に関しては問題構成等の変更もありそうなので、ICU入試対策として2025年度以降の受験生は引き続き最新の情報を得ていくことが重要ですね。