ICU入試国際基督教大学入試合格体験記2019(3) すんさんの場合
1. お名前、プロフィール
<お名前>
すん
<プロフィール>
高校:広島の中高一貫校です。
塾:誰も知らないような地域密着型の小さな塾(自習室利用のために通っていました。)
部活:高校がSGH校だったので、グローバル系?の団体に所属し様々な活動をしていました
2. 受験形態
一般入試
3.予想得点
人文社会または自然科学得点 = 8~9割
総合教養得点 = 7割
英語リスニング得点 = 5~6割
英語リーディング得点 = 5~6割
(センター得点参考)
英語:164点
国語:136点
世界史:81点
4.併願校
立命館アジア太平洋大学アジア太平洋学部
5. ICUに入るまでのいきさつ(どうやってICUを知ったか? なぜICUを選んだか ? など)
元々、ICUという名前すらも知らなかったのですが、高校にICUを卒業された先生がおり、その先生から、ICUの入学式では世界人権宣言に新入生全員が宣誓するのだという話を聞き、そんな高い意識を持った大学が日本にあるのかと衝撃と興味深さを覚え、調べ始めた事がきっかけです。
私は元々、国際関係学を学びたい、また、英語のスキルを身に着けると同時に第2外国語も習得してみたいと考えていて、その私にとってICUの環境は理想的でした。国際関係学がメジャーとして独立して在ること、コースが非常に豊富で自由に深く学べる事、対話が容易な環境、ELPプログラムや豊富な留学制度、英語以外の語学が学べる事などが決め手でした。また、パンフレットを読んでいてICUの考え方がすごく気に入りました。
6.ICUに期待するところ
国際関係学他、開発研究、平和研究、哲学宗教に興味があり、学びたいです。興味のおもむくまま自由に学びたいです。また、授業を受ける中でプレゼンテーションスキル、コミュニケーションスキルを身に着けられればと思います。周りの優秀なICU生からたくさんの刺激を受けることを何よりも楽しみにしています。
7.受験対策
a.願書
<1.ICUを志望した動機または理由を述べてください。>
ICUを卒業された学校の先生から、ICUでは入学式で世界人権宣言を新入生全員が宣誓するという話を聞き、おもしろい大学だと感じ、また、その文化にICUの確固とした理念や信念を貫く姿勢が表れているように思い共感し、興味を持った事がきっかけです。ICUを志望する一つの理由は、私は国際関係学を中心に学びたいと考えており、リベラルアーツや豊富なコースなど広い視野でその学問を自由に追求できるICUの環境に惹かれたからです。もう一つは、ICUの語学教育にあります。私は、英語力の向上と中国語の上達を目指しているのですが、ICUの英語プログラムや第三言語の習得を積極的に進めてくれる環境が私にとって理想的でした。
<2.ICUで何を学んでみたいですか。あなた自身の希望をその理由も含め述べてださい。>
私は、以前から国際問題に関心があり、それを学問的に見ていきたいという想いから多角的な視点から国際関係学を中心に学んでいきたいと考えています。そして私は、社会の対立とイスラム教の関係について考えさせられた経験があり興味があるので、ICUのリベラルアーツ制度を活かしイスラム教の文化や思想を学びたいと考えています。その上で、イスラム教徒と世界がどうすれば共存できるか探っていきたいです。さらに、私は日本の戦争加害面について関心があるので、大学でもっと学びたいです。この問題は複雑で一つの視点では見れない問題なので、様々な価値観や批判的な思考が許されるICUで勉強したいと思っています。また、私は学内の学びだけではなく、国際サービスラーニングに参加し、実体験として発展途上国の現状を学びたいと考えています。
<3.学内外を問わず、技能、諸活動など自分の最も得意とすること、好んで行なって いることを述べてください。>
私は、これまで数多くの模擬国連に積極的に参加してきました。この活動で楽しかったのは、本番の会議での優秀な生徒との議論もそうでしたが、何よりも準備段階での政策立案でした。限られた条件の中で現実的に最善の政策を生む過程は有意義なもので、考えることが面白いと思えました。これらの経験を通して、今まで無知だった国際問題を深く知ったり、問題意識をもって批判的に考える癖がついたりと自分自身も成長できました。
a. 人文・社会科学
今年の人文社会科学はいつもより簡単だったように感じました。分かりにくい考え込むような読解問題がそんなに無かったです。ここ近年のものは、昔と比べて知識問題が減り読解問題に比重が多くおかれるようになっていると感じます。なので、知識の部分はそこまで気にする必要がないかなと思います。知識問題は世界史からのものが主になっています。
対策は、オンレクからの過去問人文科学、社会科学含めて10年分以上解きました。何度か解く中で、自分なりの解き方を模索していきました。自分の場合は、開始直後すぐに、ページをめくって、章はどれだけ細かく分かれているか、文章の長さ(どれだけページ数があるか)等を確認して、設問を見ていき、一見して知識問題と分かる問題を解いていく、というのを最初の5分でやってから、文章を読み始めるようにしていました。この過程で、目に入る情報から、どういう系統の話か、という事もはじめにさらっとですが確認できるので良かったと思います。そして、文章は章ごとに読んで、答えられる設問を解いていきました。全部読み切ってから問題を解く方法だと長すぎて内容を忘れてしまうし、設問ごとに文章を読む方法だと流れを把握ししにくく分掌も楽しめないので、章ごとにという方法が最適でした。文章を読む時は、筆者の主張や重要なところに線を引いて、引用などで出てくる人物や作品名に印をつけて、設問で問われた時に探しやすいようにしていました。他、内容理解では記憶で答えずちゃんと本文の根拠と照らし合わせる事、設問の条件を正確に読み取る事等に気をつけていました。
解き終わった過去問は、復習をして、全てではないですが章ごとに要約をするようにしていました。要約は、文章の構成や展開が以前より分かるようになり、効果がありました。
過去問以外の対策はしていませんが、学校の現代文の授業で、センターの過去問を解いていました。センターを解くことで読解力が上がりました。
知識問題の対策はそんなにしていません。ただ、過去問の中で出てきた知識問題を書いてまとめました。まとめたものを見て覚えるというより、書いて記憶に残らせるといった感じです。世界史選択でしたが、学校の進度が遅く、学校の授業が終わるギリギリでようやく近現代史が終わったので時間がなく、世界史の復習に時間を割くよりも英語などに集中した方が良いと思い、復習しませんでした。センター直前に教科書だけを読み、古代中世をさらっと復習したくらいです。しかし、現代史以外はそれまで時間をかけてしっかり勉強していたのと高2まで日本史も選択していたこともあり、うっすらとある記憶を頼って知識問題はまあまあ大丈夫でした。
b. 総合教養(ATLAS)
今年のは、読解が中心で例年まあまあある知識問題がほとんど無くなっていて、ちょっと拍子抜けしました。やっぱり読解力をより重視ししてきているのかなと思います。今後もそうなる可能性が高いと思います。
対策は、今までの過去問とBUCHOさんがupしている演習問題を解きました。(全ての演習を解ききる事はできませんでした…)解いて、間違えた問題を復習し、知識問題は人文社会科学と同じように書いてまとめました。講義パートは、意外と細かい所も問われるので、大きな流れに加え、年代や数字、人物、作品名、出来事などをメモしました。時間が厳しく、1パート20分で収められるように気をつけてやりました。
c. 英語(リスニングを含む)
<リスニング>
ここ近年のリスニングは、発音が本当に分かりにくくて難しいです。本番の音声もかなり聞き取りづらかったです。Part 1の会話も講義パートも昔より長くなっています。
対策は、10年分以上の過去問を解いて復習を中心にしました。過去問を多く解くことで、会話パートはテンポも分かるようにになってきてある程度解けるようになりました。(講義パートは全然慣れませんでしたが…) 復習は、Part 1の音声を使ってディクテーションをしました。Part 2,3の音声は何回も(10回くらい)集中して聴いて、たまに音読やシャドーウィングをしました。さらに、解き終わった過去問のリーディングのボイスエイドを聴き込んだりしました。また、通学の電車の時間を使って、定番ではありますがtedを聴いたり、昔解いて忘れているような英語の過去問の音声を集中して聴き直したりしていました。
<リーディング>
本番は、近年の傾向通り長文が3つ、穴埋め1つといつも通りでした。ただ、最後の自然科学系の文章が専門度が高く難しかったです。時間内に終わらせる事はできませんでした。
対策は、過去問を始め、TOEFL用のリーディング問題集やトフルゼミナールの完全予想問題集、Amazonで手に入れた洋書のリーディング問題集を使って、学術的な文章ばかりを読みました。(これらの問題集を最後まで解き切った訳ではないです。)直前期は、過去問だけを集中的に解きました。
復習する時は、改めて読み直しながら分からない単語にマーカーを引いて、単語を調べた上で読み直しました。英語を英語のままで理解するようにし、和訳を使わないようにしました(どうしても分かりづらい文があれば、そこだけ和訳を参照しました。)間違えた問題は、本文の根拠を明確にするようにし、その根拠となる部分に線を引きました。また、復習し終わった文章は、5分や10分など時間を決めて速めに読み直し、速読ができるようになるよう、その文章に飽きるまで練習しました。
長文が3つになってからの英語は、一つ15分しか時間をかけれないので、自分にとって厳しかったです。素直にそのまま読んで答えたのでは、そもそも物理的にも時間が足りないと感じたので、設問を先に読んで、パラグラフごとに答える方法に変え、問われていないところはさらっと読むなど緩急をつけるようにしました。(それでも厳しかったです)長文が3つになってからまだ年数が浅く、まだそのような過去問が少なかったので、1年分の過去問と他の過去問の一つをくっつけて時間内に解くなど、本番になるべく近い状態でやって感覚を身に着けられるよう工夫しました。
d.その他受験に関するアドバイス(役立つ参考書、試験中に気をつけること、全般的な勉強法など)
ICUの試験に通るため"だけ"の勉強にならないようにするべきだと思います。例えば、英語を勉強するのはICUのELAで良いスタートを切るためだとか、普通に英語ができるようになりたいだとか、目的はたくさんあればあるほど良いと思います。私自身、この1年、試験のためだけに勉強していた訳ではなく、英語は、今はスピーキングやライティングは無理でもリーディングやリスニングを何とか上達したいという思いでやっていたし、世界史は、ICUのためという意識より、ただおもしろかったので誰よりも多くの時間をかけて勉強をしました。入試のたった1日に点をたくさん取るためだけに勉強していると、不安や焦りも感じやすくなるし、人間は苦しくなるものです。目的が複数あると、楽しいしモチベーションも保ちやすくなります。(精神論になってしまい申し訳ないです。でも、勉強する時に精神論は大切だと思います)
試験の日は、今まで過去問を解いてきて気をつける事などを科目ごとにwordでまとめた紙を持ってきて、休憩時間などに見て、精神を落ち着けていました。このような紙をつくってくるのはおすすめです。試験前、試験中は、合格できるかどうか緊張して不安でどうしようもなくなるかもしませんが、とにかく試験で少しでも多く点数を取れるよう、目の前の問題だけに集中する方向に気持ちを持っていく事が肝要です。開始の合図までは、イメトレをずっとしておくのが良いと思います。
また、試験中の話ではありませんが、私は広島から試験を受けに来たので、とにかく移動で死ぬほど疲れました。重い荷物を持って広い東京駅を歩き回り、ホテルにつく頃には一歩も動けませんでした。早めにホテルに着いて翌日のために勉強をしようと思っていましたが、大量に勉強道具を持ってきたくせに全くできず後悔しました。地方から東京に受けに来る人は、荷物をなるべく少なくしていく事(いるかな?と思って持ってきた物は大抵使わずに終わります。勉強道具をたくさん持ってきてもしょうがないです。)、買い物は最大限、土地勘のある地元で事前に済ませて置く事が大切です。疲れを試験の日に持ち越さないようにしましょう。
8. 最後に一言
オンレクの、大量の過去問を自分の好きなタイミングで解いて慣れるという方法は自分に合っていてとても良かったです。本当にありがとうございました。
指定校推薦もAO入試も駄目になり、最後の手段として一般入試を使いましたが、一般入試で通って良かったと思っています。英語の対策を通して、リーディングやリスニングが以前と比べ、断然出来るようになりました。人文社会科学の対策をしたおかげで、日本語の読解力もより上がったと思います。何より、文章が楽しく新発見や考え直させられる機会が多くありました。有意義な勉強が出来たと思っています。
合格発表前は、駄目なんじゃないかと思いましたが、合格して本当に良かったです。