ICU Cherry Blossom奨学金,ICU奨学金,ICU入試対策ブログ 国際基督教大学入試最新情報,一般選抜

本日ICU国際基督教大学の入試と奨学金関連のWebサイトが更新され、2024年度から新規に募集が開始されるICU Cherry Blossom奨学金の概要が公表されています。

2023年6月10日:6月9日に募集要項が公表されたので内容を更新しました。

ICU公式サイトで公表されたPDFより

第1次募集は2023年6 月19日(月)に申請受付が開始されます。今年度からはじまるという事もあって、公表から募集開始までが差し迫っているため、奨学金の対象者となっている人はICU入試対策として今すぐチェックした応募の準備をした方がよいです。以下に今回公表された事を中心に速報をお伝えいたします。

<奨学金の概要>

・採用されると入学金が無料になり、4年間の授業料・施設費の2/3が減免される
・1都3県(東京、神奈川、埼玉、千葉)以外の学生で、家庭の収入が一定以下の方が対象。
・入試を受ける前に採用が内定する事前採用型。

<募集・選考スケジュール>

第 1 次募集第 2 次募集
 申請開始2023年6 月19 日(月)2023年11月1日(水)
オンライン申請フォームへの入力締切2023 年7月3日(月)23:59 まで2023年11月15日(水)23:59 まで
必要書類の郵送締切 (レターパックによる郵送のみ受付可)2023年7月4 日(火)当日消印有効2023 年11月16 日(木)当日消印有効
採否発表2023年8月9日(水)
午前11時(予定)
2023年12月7日(木)
午前11時(予定)

<詳細>

対象者など:
・1都3県以外にある日本の高校の出身者
・2024年度入試の出願予定者
高卒生(浪人生)、編入生もOK
・1都3県以外に居住する、通信制高校出身者もOK
・高認(高卒認定試験)は対象外
・外国の高校は対象外

募集人数:
採用候補者数は20名

対象となる入試:
・2024年度の一般選抜(編入を含む)/総合型選抜/学校推薦型選抜
・帰国生向けの入試は対象外

収入要件:
・年収900万円未満(自営業などの事業所得の場合は414万円未満)

提出書類:
1.収入に関する証明書
2.高校の調査書

<その他>

・「居住地(現住所)」ではなく、出身高校の所在地が1都3県以外である人が対象。ただし通信制高校出身者の場合は居住地が1都3県以外であればよい。

・採用されると入学金は無料、授業料・施設費は2/3減免。つまり毎年の授業料・施設費が約66%OFFになる。ICUの試算では国立大学程度の負担で卒業できる。金額的にかなり大きい。

・他の奨学金と違って、入試を受ける前に採用が決まる事前採用型。採用が決まった後に入試を受けて、合格して入学したら奨学生となる。入試成績に関係なく採否が決まる。

・学校推薦型選抜(推薦入試)は校内選考を通過すれば合格率が高いため、この奨学金との相性がよさそう。

・他の奨学金は入試出願と同時に申し込むが、本奨学金は入試に先駆けて応募する必要がある。初年度は認知度が低そうななので、対象者にはチャンス。

・家庭の収入証明と高校の調査書だけで応募できる。志望動機や小論文などの執筆は不要。

・応募に際して、評定平均などの高校の成績の要件はない。ただし高校の成績は選考基準の一つにされている。

・学業成績および収入・所得金額等により選考が行われる。

<6月9日公表の募集要項で追加された情報>

・本奨学金の採用候補者となった場合でも、ICU出願時にPeace Bell 奨学金に申し込むことは可能。Peace Bell 奨学金に採用されると、本奨学金の採用候補者からは外れ、Peace Bell 奨学金スカラーになる。なお、Peace Bell 奨学金には採用されず、本奨学金の採用候補者として総合型選抜もしくは学校推薦型選抜に合格して入学手続きをした場合は、一般選抜でICU Peace Bell 奨学金に申し込むことはできない。

・入学後に2年目以降継続して受け取るには審査があり、入学後の成績、および家庭の所得が一定の要件を満たしている必要がある。

<まとめ>

以上が2024年度に新規募集が開始されるICU Cherry Blossom奨学金の概要です。

新規の奨学金ということもあり、初回は今日の概要の公表から応募受付開始までが3週間程度しかなく、しかも人口の多い1都3県の人は応募できないため、対象者にはチャンスかもしれません。特に、2024年度の総合型選抜/学校推薦型選抜の出願予定者は2023年6月19 日開始の第1次募集しか応募機会がないので、ICU入試対策として対象者となっているかすぐにチェックした方がよいです。

<募集要項>

ICU公式サイトのICU Cherry Blossom奨学金の募集要項は下記URLから閲覧できます。

https://www.icu.ac.jp/admissions/finance/

入学者選抜の出願前に応募可能な奨学⾦→ICU Cherry Blossom奨学金→募集要項

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ICU入試対策、Mさんインタビュー第3回

浪人時代の生活

(浪人中は予備校に通われたということですが、NPO校と予備校とでは雰囲気が違ったのではないですか?)

はい、予備校は入試対策に特化していて、他の日本の受験生はこういう勉強をしてきているのかとショックを受けましたね笑

そのような勉強はそれまでやっていなかったので、目新しさもあって、予備校には意外にすんなりと順応できました。

ただし、このような勉強をずっと続けるのは大変だなとも感じていました。1年間という期限があらかじめあったから頑張れた気がします。

(浪人中の勉強法に関して伺います。1日のスケジュールはどのような感じであったか教えて下さい。)

朝は6時ぐらいに起きて6時半から8時まで家で勉強
8時半に家を出て、30分ぐらいで予備校に到着
9時から予備校に行って授業
お昼休みを経て、午後の授業
その後夜まで勉強、という流れですね。

慣れてきたら予備校は午後から行って、家で昼まで勉強したりもしていました。

スマホの時間計測アプリで毎日の勉強時間を計って、予備校を含めて1日10時間は勉強するようにしていました。
最初は12時間勉強していたりもしていたのですが、それだけやると疲弊してしまって全体の質が落ちる感じがありました。最終的には10時間に落ち着きました。

(ICU以外で併願した大学と受験した教科は?)

ICU以外の大学では英国社で受験して社会は政治経済を選択しました。

政治経済の選択はICU入試の勉強にもなるのでよかったと思います。

併願校は政治経済で受験できる大学で、法学部を受験しました。

中央大学法学部などです。

中央大学法学部にも合格 Mさんご提供(以下同じ)

ICU入試の科目別対策

(ICU対策に関して伺います。人文・社会科学の対策は?)

オンレクで過去問をたくさん解きました。

人文社会は過去問を解きまくるのが一番よくて、過去問以外に特段対策をする必要はないと僕は思います。

(予備校では現代文の授業もあったと思いますが、現国は人文・社会科学対策に役立ちますか?)

予備校の現代文は文の構造や精読の方法を教わる感じで、いわば言語的なアプローチだと思いました。

ICUの問題はどちらかというと大量の文章をテーマや問題意識をもちながら読んでいく学術的なスタイルなので、現国とはちょっと方向性が違うかなと思いますね。

なので僕の場合は現国は直接は役立ちませんでした(笑)
このあたりは人それぞれだと思います。

(読書をするよいという意見もありますが?)

読書に関しては、図書館を梯子するぐらい本好きで、沢山読んではいました。ただ、浪人が始まってからは忙しくて全然読めていなかったという感じです。

とにかく人文社会は過去問を解きまくりました!ICUの過去問は解くだけでも面白いのでオススメですね。

(総合教養ATLAS対策はいかがでしょうか?)

こちらもオンレクで過去問を解いて勉強しました。
基本的には読解問題が中心なので人文・社会科学対策が役立つと思います。

Part IVの理系の問題に関しては、高認で勉強した範囲で対応できる問題が多く、特に生物の問題などは取れる問題が多かったです。
数学系はわからない問題は素直に飛ばして、文章で解ける問題を中心に解きました。

最近の問題はPart IVでも文章読解がほとんどなので読解力をつけることが一番ですね。

(ATLASの放送のメモはどうされていましたか?)

放送のメモは可能な限り全部取るようにしていました。

メモの取り方は過去問を解きながらいろいろ試してみたのですが、考えならがら内容を絞って書くと言うよりは、可能な限り放送内容を全部書いてしまった方がうまく行くことが多かったので、実際の試験でもなるべく全部メモを取るという感じでいきました。

メモの取り方は人それぞれだと思うので、オンレクの過去問をやりながら自分なりのやり方を考えるとよいと思いました。

ちなみにですが英語リスニングはメモを取りながら答えるのはきついのでほとんどメモはしませんでした。

ICU入試英語リスニング対策

(英語リスニングについて)

僕は海外経験がないので、英語リスニングはあまり得意ではなくて、毎日1時間半-2時間は取り組んでいました。過去問を使ったのは他の教科と同じですが、TOEFLの参考書にも取り組みました。オーバーラッピングをして声に出して勉強するのが効果的だったと思います。

(TOEFL教科書はどういったものですか?)

Z会の『TOEFL iBTR TEST リスニングのエッセンス』という本です。

オンレクでリスニングの過去問をだいぶ進めた後に買って取り組みました。
内容は難しめです。Z会だから解説もしっかりとしていました。

TOEFLは学術的な問題が多くてICUの英語リスニングに内容が近いのでよいと思います!

『TOEFL iBTR TEST リスニングのエッセンス』Z会

(オーバーラッピングとは?)

オーバーラッピングは放送音声と一緒にスクリプトを見ながら英文を声に出して読むトレーニングですね。
リスニングは音読とセットでやっていたので、声を出すために家で勉強していました。

(ICUの英語リスニングでは特に後半の講義パートが難しいとされていますが対策は?)

ICUのリスニングの講義のパートはリーディングの内容に近いので、ここに関してはリーディングの対策も役立ちます。

講義パートは難しいですが、案外全体像を掴めれば回答できる問題も多いので、前半の会話パートほど一語一語聞き取れなくても正答できる場合も多いと思います!

リスニングは最後まで不安だったのですが、シンプルに音読を続けてやっていたのはよかったです。

ICU入試英語リーディング対策

(英語リーディング対策は?)

予備校の英語の授業とICUの過去問を活用して勉強しました。

ICUの英語は細かな文法などはあまり出題されず、広い意味で読解力が問われていて、
わからない専門用語が出てきても前後の文脈から類推したり、
全体の内容を一読しておおよその論旨をつかむような能力が問われていると思います。

Part IIでは一部で文法問題が出ていますが、併願校で出される文法問題の方が遙かに難しいです。

ICUの英語に取り組む際には、細かな文法事項を覚えるというよりは、構文の勉強が役立つと思います。

文章の構造を捉えるための英文法は役立ちますね。

(リーディングの時間配分はどのようにしましたか?)

空所補充であるPart IIを10分ちょっとで終わらせて、後は読解のPart IのText 1,2,3を順番に解きました。

空所補充は慌ててやるとミスが多いので、確実に最初に時間を使って解くようにしていました。

Part Iの読解は細かく時間を決めてやるよりは、とにくかく読んで解く事だけ考えました。

(オンレクでも成績がよくて、今年の入学式では入学生を代表して学生宣誓も担当されました。何か秘訣があるでしょうか?)

そうですね、ICUの入試問題は最初に解いた時から相性の良さは感じていました笑
ICUの過去問は解いていて面白かったので、継続してたくさんの問題を解いた事が大きかったのではないかと思います!

(ありがとうございました。)

Mさんが浪人中に取り組んだテキストや資料

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ICU国際基督教大学の公式サイトが更新され、ICU見学会の"Campus Visit Days"の5月分の申し込みが可能です。

ただし14時の回はすでに満席となっており、15:30の回に空きがあります。ICU入試対策としてICUのキャンパスを訪れて置きたい受験生にとっては貴重な見学の機会です。

Campus Visit Daysはコロナ禍で大学見学の機会が限られる中で、ICU進学希望者にICU見学の機会を設けたもので、どうやら今後も定期開催されです。ただし毎月行われている訳ではなく、また定員が少ないので、日程がある場合は早めに申し込んだ方がよいです。

今回の見学会も夏休み前では最後の機会になります。特にICU入試の総合型選抜や指定校推薦を受ける方はICUのキャンパス見学を早めに済ませた方がよいでしょう。オープンキャンパスと違って小規模でモデル授業等はありませんが、その分少人数で気軽に参加できそうだというメリットもありますね。

ICU Campus Visit Days

https://www.icu.ac.jp/admissions/undergraduate/event/#visit

2023/05/10追記、15:30-の回も満席になりました

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前回に引き続き、4月末にICU入試公式サイトで追加発表された2025年度以降のICU入試制度に関する続報です。2025年度入試からは試験時間と配点も変更されます。ICU入試受験生はICU入試対策として内容変更を抑えておきましょう。

試験時間と配点が変更される

ICU公式サイト資料「2025年度以降の入学者選抜の変更点について」より

この変更点では、全教科で試験時間が短くなり、また英語の配点が10点下がっています。以下の表はそれらの変更点をまとめたものです。

表で示したように、2025年度以降は各科目が試験時間70分、配点80点で実施されます。すでに公表されているように、2025年度以降は人文社会科学と自然科学を別方式で受けて併願できるようになります。人文社会科学と自然科学を別の時間帯で実施するためには、1日4科目の試験を実施する必要があり、そのために各教科の試験時間を短縮して1科目分の試験時間を確保した形です。実際に2014年度までICU入試は4科目型で1日4教科実施されていたので、試験時間が元に戻ったという感じがします。2014年度までの人文科学、社会科学、自然科学は40問70分で行われていたので、この形に戻ると考えられます。よって2025以降の英語以外の科目は40問70分で実施されると予想します。つまり英語以外の科目は試験時間が10分短縮されますが、問題構成は40問のまま大きく変わらないと思います。

英語は変更の影響が大きい

今回の変更で影響が大きいのは英語です。英語は90分(リスニング約30分を含む)、配点90点で行われていましたが今回の変更で英語の試験時間は70分(リスニング約25分を含む)、配点80点になります。実際の試験でこの通りに変更されるのであれば、英語の試験時間は20分短縮されることになります。点数も90点から80点に減ることから、出題形式に変更がありそうです。

今回の変更でリスニングが約25分であることが示されていますので、この通りに実施されるのであれば、現在60分のリーディングの時間は45分に短縮されることになります。

仮にリーディングが45分であるとすると、60分で実施されている現在の問題構成では無理が出てくるため、恐らくリーディングPart Iの英文数が3つから2つに削減される等の変更があると思われます。実際に2017年度まではリーディングPart Iの英文数は2つだったので。

ICU入試対策としては、試験時間の短縮で速読の重要性が引き続き重要になりそうです。

配点が変更され、各教科均等になる

さらに、今回の変更で英語の配点が90点から80点に変更され、他の科目は80点で据え置かれているため、若干ではありますが、試験全体に占める英語のウェイトが低下しています。

併願の対応+各教科の時間配点均等化でICU入試を受けやすくする狙いか

今回の変更の狙いは時間割を変更することで、従来同じ時間に行われていた「人文・社会科学」と「自然科学」を別の時限に実施し、併願を可能にすることです。各試験時間を短縮して4時限目を確保した形ですね。特に国立型の勉強をしてきた学生や、文理を問わず勉強を進めてきた学生にとって、「人文・社会科学」と「自然科学」をそれぞれ別方式として併願できるのは大きなメリットになりますし、ICUにとっても併願者を増やすことで受験者数を確保するという利点がありそうです。

さらに、英語に関しては試験時間を20分短縮して、配点も減らしています。ICU入試の英語は相当難しいというイメージを持つ受験生も少なくない中で、英語の試験を短縮することで、英語だけでは決まらないというICU入試の方向性をアピールする狙いがありそうです。

現状でも英語は配点の36%であるため、他の英語重視の難関大と比較して英語のウェイトは高くはなかったものの、ICU入試の中で英語は配点の高い科目ではありました。

英語を他教科と全く同じ配点にして、さらに英語の問題数と試験時間を従来よりは減らすことで、すべての教科をフラットにし、特定の教科に依拠せず総合的に合否を判定するという、ICU入試の特性をより明確にする狙いがあるのかもしれません。

いずれにしても英語に関しては問題構成等の変更もありそうなので、ICU入試対策として2025年度以降の受験生は引き続き最新の情報を得ていくことが重要ですね。

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ICU国際基督教大学の入試関連の公式サイトが更新され、2025年度以降のATLASの試験形式の変更の詳細が公表されています。赤字の箇所が今回公表された部分です。2025年度以降の受験を予定している方はICU入試対策として抑えておきたいところです。

ICU公式サイト資料「2025年度以降の入学者選抜の変更点について」より

前回の更新では3つの分野から分かれて出題されていた資料が1つに統合される事が示されていました。

今回の更新では、試験進行の順番に関して述べられていて、以下のような順番で試験が進行する事が示されています。

①講義に関する 論述や 資料を読む
②論述 ・ 資料を踏まえた内容の講義を聴く
③論述・ 資料と講義内容に関連した設問を解く

現在は先に講義を聴いてから問題を解く形式ですが、2025年度からは先に論文や資料を読んでから講義を聴き、その後、問題冊子の問題を解く形式に変更されます。講義に先立って、論文や資料を読むための時間が設けられることになりそうです。また、試験時間は80分から70分に変更されます。

今回の公表内容や入試説明会での取材等も含めて、予想図を作成してみました。

大きな変更点は講義の前に論文や資料を読むためだけの時間が用意されることです。現行の制度では講義放送終了後に、論文と資料を読みながら設問を解く形ですが、変更後は論文と資料を読むためだけの時間が用意され、その時間をいわば予習時間として活用した上で講義を聴き、さらにその後に各設問に答えていく形になりそうです。

試験時間が短縮されるため、冒頭の時間を活用して論文や資料の内容を理解することが試験のポイントとなるでしょう。また、試験が煩雑になるため、回答時間に資料用冊子は回収されないと予想します。加えて、現行通り設問用の冊子にはシールで開けないようになっていて、講義終了後に指示に従って設問用の冊子を開く形になりそうです。

設問を見ながらピンポイントで資料の該当箇所を探すようなテクニックを問うのではなく、論文・資料、講義を統合的に理解できているかを問いたいという狙いがこの変更にはあるのではないかと思われます。

資料を読み、講義を聴いて問題に答えるというのは現行と変わっていません。今後のICU入試ATLAS対策としては、試験のコンセプトは変わっていないので、ICUの過去問を解いて試験問題の内容になれていくことが引き続き重要になりそうです。

また、今回の発表では配点と試験時間の変更もアナウンスされているので、その点について次回のエントリーでご紹介します。

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ICU入試対策、Mさんインタビュー第2回

NPO校、シュタイナー教育

(Mさんが在学されていた学校はNPO校で、シュタイナー教育校であるとういことですが、シュタイナー教育に関して教えて下さい)

はい、シュタイナー教育はルドルフ・シュタイナーによって提唱されたもので、ドイツ発祥のものです。

シュタイナー教育の理念は哲学的で多岐にわたっているので説明するのが難しいのですが、机上の学びだけではなく、実習を重視しているのは特徴の一つだと思います。

例えば僕の通っていた学校では九州の有機農家で3週間の農業実習をしたり、長野県の牧場で測量実習を行って牧草地の地図を完成させるというものがありました。

また、僕の代ではコロナの影響で実施されなかったのですが、福祉施設で3週間働かせてもらう福祉実習も毎年行われていました。

(牧場での測量実習の様子 Mさんご提供 以下同じ)

座学にしても自主的に学ぶ事が重視されていて、シュタイナー教育では基本的に教科書を使いません。

学生がノートを作ることで各教科を勉強していきます。

(シュタイナー学校は日本に何校あるのですか?)

日本にはシュタイナー学校は7校あって、その内、関東には3校あって、神奈川に2校、東京に1校あります。

それぞれ違う運営母体で、僕が通っていたのは東京の学校です。

(教科書を使わないと言うことですが、普通の学校で教える英語とか国語とか世界史などの教科はあるのですか?)

高校で習うような科目は一通り授業があります。

ただし受験用の勉強という形では授業をしていないので「これは入試に出るから覚えないとダメだよ」という事は一切ないです。

(学校では入試対策はやらないという事ですか?)

基本的には入試対策用の授業ではないですね。

むしろ他の高校では受験に集中している高3でもいろいろと行事が普通にあります。

高3では卒業論文が必須で、1年かけて卒業研究したり、演劇が重視されているので、全員参加で劇をやるという行事が高3でもあります(笑)。

こんな様子なので、特に大学受験を控えている学生は大いに葛藤があります(笑)。

高卒認定試験

(NPO校ということは高校の卒業資格はどうなるのですか?)

在籍していた学校は文科省の定める学校ではなく、NPO校の扱いだったのでそこを卒業するだけでは高校の卒業資格はもらえません。

大学を受験するには高卒認定試験を受ける必要があります。

(高卒認定試験はどのタイミングで受験をするのですか?)

高2の時に受験します。学校としても高卒認定はみんな取れるよう、関連する内容は授業内でもやってくれます。

僕も高2で受験して合格しました。

高認の最低点は、公式なものはないと思いますが、40-50と聞いています。高認ではテキストとプラスで過去問を用いた対策がとても重要だと思います!

ちなみに高認では各教科A,B,Cの3段階の評価が出されます。

80点以上を取るとAがもらえるという形です。

ICU入試を高卒認定で受験する場合は、高卒認定試験の「合格成績証明書」というのを提出しますが、これには高卒認定試験を受けた際の各教科の評価が書かれています。

全教科A評価で高卒認定試験に合格できるように勉強して、1教科を除いてA評価が取れました。

NPO校出身ですから、高校の調査書や成績を提出する訳ではないので、高卒認定試験の合格成績証明書の見栄えを少しでもよいものとしたいと考えていました。

(NPO校だから高校の調査書も無いわけですね。そうするとICU入試に出願する際に、ICUの方にはMさんがNPO校出身だという事は分からないのですね?)

はい、NPO校からICUに提出する資料はないので、高卒認定で受けているということしか分からないです。

文科省の高卒認定試験の合格成績証明書。ほぼ全科目A評点で合格。英国数世界史が必修で、地歴公民理科の各分野で選択要件がある

(NPO校の同じクラスの高3の方は、それぞれどのような進路を選択されているのですか?)

出身校の卒業生の進路に関しては、クラスによってバラツキがあります。僕のクラスは十数人いて、AOなどで大学に進学する人が数人、専門学校が数人、残りが卒業してから浪人して一般選抜で大学に進学するという感じだったと思います。

過去にはドイツの教育に触発されて卒業後にドイツに行く学生や、劇に参加した経験から演劇関係の進路を選ぶ学生もいたそうで、進路は人それぞれという感じですね。

(指定校推薦はないですよね?)

はい、指定校推薦はないです!

(高卒認定でも総合型選抜は受けられるのですね?)

はい、AOは自己推薦であって学校推薦ではないので、高認でもAO入試を受けられる大学もあります。

シュタイナー教育では他の学生がやっていないような活動や研究をしているので、AOとの相性は悪くなくて、総合型選抜で大学に進学する人は増えてきていますね。ただしAOが増えてきたのはここ5-6年ぐらいの事です。母校の進学支援体制には改善の余地がありますし、AOに強いというほどではないです(笑)

(入試対策を高校でやらないというのは、一般選抜は大変なのでは?)

そうですね、時たま現役で一般選抜で進学する人もいるのですが、一般選抜を受ける学生は卒業後に浪人して予備校に通うというのが基本でした。

(次回浪人時代の勉強法に続きます)

(注1:ICUの総合型選抜は高校の評定平均値の要件があるため、高卒認定ではICUの総合型選抜を受験することはできない)

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今回は2023年度一般入試(A方式)でICUに合格されたKaoru-M(以下Mさん)さんにお話を伺います。

MさんはNPO校のご出身で、当サイトのオンラインレクチャーを受講され、4月1日のICUの入学式では新入生代表として学生宣誓をされました。

ICU入試成績優秀者として学生代表に選ばれた様子や、オンレクを用いたICU入試対策法などを伺いました。

入学式当日のICUマクリーン通りの様子(Kaoru-Mさんご提供 以下同じ)

入学式と学生宣誓

(学生代表として宣誓をするまでのいきさつや、入学式の様子を教えてください)

はい、ICUから、入学式で学生を代表して宣誓を読み上げてもらえませんかという電話がありました。入学式の10日ほど前でした。

その後、入学式の数日前に担当の先生がオンラインで学生宣誓の内容や意義など説明してくださいました。宣誓をする際のアドバイスもいただきました。

4月1日の入学式当日は、会場であるICU教会に早めに行って、簡単なリハーサルをしました。

入学式が始まってからは最前列に座って待機していました。

学生宣誓を担当したのは自分を含めて2人です。
学部生代表が1人で自分が担当しました。
他に大学院生が1人いらっしゃって、英語での宣誓を担当されました。

ICUの入学式では入学生全員の名前が一人ずつ呼び上げられるのですが、
学生宣誓はその後だったので、待機している時間がとても長く感じました。

大学院生代表で宣誓をされた方が隣の席に座っておられたのですが、
緊張するので早く終わらせたいですねとお互いに話していました。

その後ようやく出番がきまして、学生代表が演台に並ぶ形で宣誓をしました。

宣誓を無事に終えられてほっとしました。

(学生代表にはICUから何か記念品が贈られたりするのですか?)

いえ、そういうのはなかったですね。

(入学式のプログラムに名前が掲載される?)

いえ、プログラムに個人名が載る事もないです。宣誓をするという名誉だけですね(笑)。

入学式が終わった後に担当の先生からお疲れ様でしたと声をかけていただきました。

ICU入学式のプログラム

(今年の入学生は対面で全員参加ということでしたが、保護者の方の参加も可能でしたか?)

はい、保護者も2名まで来場できました。ただしICU教会には保護者が入れるほどの席がないので、新入生に同伴した保護者は、本館の教室でライブ映像を見る形で参加しました。

その他にオンライン配信でも式の様子が見られたということです。

ICU新入生向けのオリエンテーション

(新入生向けのオリエンテーションの様子を教えてください)

今年のオリエンテーションは入学式に先立ってオンラインでのオリエンテーションが2日間行われて、
入学式後は主に対面のオリエンテーションがありました。

(オリエンテーションで印象に残っているものはありますか?)

印象に残っているのはICUの新館で行われた、ICUの各メジャーを紹介するポスターセッションです。このポスターセッションでは、ICU新館の各教室でそれぞれのメジャーが研究内容を紹介する展示を行って、そこに各メジャーの先生方が待機しておられて、随時説明をしたり質問に答えてくださるというものでした。

(その他のオリエンテーションはどのような内容でしたか?)

学生生活のオリエンテーション、カウンセリングセンターの紹介、就活支援の紹介、ELAの説明、授業履修、登録の説明、健康診断やアドバイザーの先生との面談などです。

ELAのクラス分けテスト

(ICUは伝統的に入学式前後にELAのクラス分けのテストをしていますが、今年はどのタイミングで行われましたか?)

プレースメントテストは入学式の前日でした。会場試験ではなくてオンラインで自宅から行う形式(*TOEFL ITPテストデジタル版)でした。

(プレースメントテストに際してTOEFL ITPの対策はしましたか?)

ITPは誤所指摘など文法問題に特徴があって、文法は以前からやっておいた方がよいと思っていたので、TOEFL ITPの文法対策で評判のよいテキスト(『全問正解するTOEFL ITP TEST文法問題対策』)をやりました。

(スコアやクラス分けはいかがでしたか?)

デジタル版のITPではその場でスコアが出て、なかなかよい点数でした。その後クラス分けが決定する前にELAの先生からインタビューを受けて、結果的にStream-3になりました。純ジャパで海外経験はなく、スピーキングは苦手なのでそのようなクラス分けになったのだと思います。ELAはしっかりやりたいと思っていたのでStream-3でよかったと思っています。

*ICUのELAではTOEFL ITPのスコアでクラス分けがされるが、Mさんのようにテストが高スコアで海外経験が少ない場合などは、個別にインタビューを受けて最終的にクラス分けが決定される事がある。

『全問正解するTOEFL ITP TEST文法問題対策』

(そのほかにICUに入学して印象的だった事などはありますか?)

はい、入学後にはアドバイザーの先生と面談があるのですが、その面談に関するメール連絡が全て英語だった事には驚きました。ICUに入学した事を実感した気がしました。

(次回に続きます。)

昨年度の入学式から新入生に配布されている『日英仏3言語 ビジュアル版 世界人権宣言』。同書にはICUのプロジェクトチームが参加している。

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ICU国際基督教大学から、2024年度より新入生向けの奨学金が拡充される事が告知されています。

ICUの奨学金はICU入試の出願時に申し込める制度で、合格発表と同時に採用が通知される奨学金(新設のCherry Blossomは出願前に決定される予約採用型) であるため、ICU入試受験生にとってはうれしいニュースです。

ICU公式サイトより

ICU Peace Bell 奨学金 が拡充。4年間学費、寮費が免除に

ICU Peace Bell奨学金は4年総額400万円の給付型奨学金ですが、2024年度から入学金、学費(施設費を含む)、寮費(入寮費を含む)が全て免除される奨学金になります。ICUの試算によると2024年度は2,346,500 円相当、4年間で831.8 万円相当になるとのことです(Global Houseに住んだ場合の試算)。

現金給付型から免除型に変更されてはいますが、奨学金の内容は倍以上に拡充されています。

採用人数は14人で現在と変わりません。

現行の400万円の給付も十分にインパクトがありますが、2024年度以降は学費ゼロ寮費ゼロという、まさに特待生扱いの奨学金に拡充されます。

過去の奨学金において寮費免除というのはなかったので、ICUとしては新しい試みと言えます。現在のICUは学生寮がとても充実していますので、ICUとしてはその資産を活かす形の奨学金であり、学生にとってはキャンパス内の寮に費用免除で住めるというのは大きなメリットになります。

ICUトーチリレー High Endeavor奨学金が原則4年継続に

ICUトーチリレー High Endeavor奨学金は入学金および年間授業料・施設費の3分の1相当額が免除される奨学金です。現行では新入生の46名が採用され、その内、入試成績等が特に優秀な16名は4年次まで免除が継続されるという制度でした。

新制度では原則4年継続にとなり、採用人数が24 名になります。

ICU Cherry Blossom 奨学⾦が新設、(*1都3県民を除く)

こちらは新規の奨学金です。1 都3 県以外の国内の受験⽣を対象に授業料・施設費2 学期分が免除される奨学金 で、こちらも4年間継続されます。⼊試出願前に奨学⾦の採⽤可否を通知する「予約採⽤型奨学⾦」となる模様です。受かる前に奨学生になるかどうかが分かるとうい事ですね。

採用人数は20名です。

1 都3 県が除外されている所は気になりますが、確かに大学進学に際して地方から東京に出てくるというのはとても大きな負担でありますし、出願時に採用の可能性が判明している予約型であることで、地方からICU入試を受ける際に大きな励みになりそうです。

2024年度のICU入試以降は拡充された奨学金を利用可能

2024年度以降のICUの奨学金をまとめると以下のようになり、充実した奨学金が多数の学生に与えられる事が分かります。

ICUの試算によるとこれらの奨学金制度を利用してICUに入学する学生が各学年に行き渡る2027年度には、全学⽣の14%が⼤学独⾃の奨学⾦給付対象になるということです。一学年600人しかいないのにこれだけ奨学金が充実しているとういのはすごいことですね。

奨学金では入試成績がものを言う事になるので、ICU入試対策を万全にしつつ、大幅に拡充されたICU奨学金への採用も狙って行きたいところですね。

ICU入試対策ブログ 国際基督教大学入試最新情報,一般選抜

前回に引き続き2025年度以降のICU国際基督教大学の入試制度変更に関する内容をお伝えします。

2025年度以降の募集人員の変化

ICUの3月末に公表した2025年度以降のICU入試の募集人員では、一般選抜の募集人員が70人減り、総合型選抜(AO)や推薦入試、帰国生向け入試の募集人員が70人増加しています。

(*ICUの公表する募集人員の合計は620人であると表記されている。社会人の募集人員は「若干名」で、社会人以外の募集人員の合計は615人であるため、その他を5人と表記した)

一般選抜の募集人員を減らして、推薦等を増やす方向性が見て取れます。

ただしICU入試の過去の傾向を考えると、これによってただちに一般選抜が大幅に難化するという訳ではなさそうです。

今回の変更は、一般選抜の合格者数を減らすのが狙いではなく、一般選抜の受験者が減少傾向あるなかで他の方式の受験者が増えているため、試験全体で合格者の水準を維持するため実情に合わせて変更したという印象を受けます。

過去においても一般選抜の募集人員は変更されているものの、オンレクのデータを見ても近年の合格水準はあまり変化していないため、今後も一般選抜の難易度そのものはさほど変わらないと予想します。

一般選抜の募集人員

2025年度以降はICUの一般選抜が4方式に変更され、それぞれの募集人員は上記のようになっています。新方式では併願がしやすくなっています。

併願がしやすくなるという事は、重複合格する受験生も増える事になるので、その分を見越して合格者は多めに出す必要があるため、結果的には合格者数は今と大して変わらないという形になるかもしれません。

数学の出題範囲の表記の変更

2022 年度高等学校入学者から適用された学習指導要領の表記に対応するため、数学の表記が以下のように変更されています。ベクトルが数学Cに移動した事による表記の変更で、出題範囲そのものは変わっていません。この変更点はあまり気にしなくてもよさそうです。

<自然科学 現行>
数学 数学 I、数学 II、数学 A、数学 B(数列、ベクトル)
物理 物理基礎、物理
化学 化学基礎、化学 生物
生物基礎、生物

<自然科学 2025 年度以降>
数学 数学 I、数学 II、数学 A、数学 B(数列)、数学 C(ベクトル)
物理 物理基礎、物理
化学 化学基礎、化学
生物 生物基礎、生物

2025年末以降の変更まとめ 併願の活用がポイントに

ICU入試の募集人員は以前から実状に合わせて随時変更されてきたので、あまり気にしなくてよいでしょう。

重要な変更点としては一般選抜がより併願をしやすい4法式が変更される事です。

併願を活用する事で一般選抜の複数の法式で合格が狙えるため、特に2025年度以降にICUを第一志望とする受験生は、複数の入試方式の併願をいかに活用するかがポイントになりそうです。

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ICU国際基督教大学の入試関連のWebサイトが更新され、2025年度の入試からの変更点が発表されました。

2025年度ICU入試の変更点は4つです。

1.総合教養(ATLAS)の形式の変更
2.一般選抜が2方式から4方式へ変更
3.募集人員の変更
4.新学習指導要領に基づく数学の出題範囲の変更

この変更は2025年度ICU入試(2025年度一般選抜)から適用されるもので、来年2月に行われる2024年度ICU入試には変更はありません

この記事では総合教養(ATALS)の形式の変更4方式へ変更に関して見ていきます。

総合教養(ATLAS)の形式の変更

<現行>
講義を聴き、資料を読み、以下の 4 つの分野の設問に答える。
① 講義に関する学際的な設問
② 「人文科学」の観点からの論述や資料を用いた設問を解く。
③ 「社会科学」の観点からの論述や資料を用いた設問を解く。
④ 「自然科学」の観点からの論述や資料を用いた設問を解く。

<2025 年度以降の入学者選抜>
特定のテーマに関する講義と1つの論述や資料に基づく設問を解く。
(講義、資料、設問の順番は未定)

現行の総合教養では15分の放送講義が流れた後に、60分で3パートに分かれた3つの論文を読み、それぞれの問題に答えるというものでした。

2025年以降の入試では、論文の部分が統合され、1つの総合的な問題となる予定です。

予想ですが、現行の人文・社会科学のように1つの大きな問題になり、そこに講義も加わるという形で、講義と問題冊子の内容はより一体感のあるものとなるようです。

入試説明会の段階では詳しいフォーマットは現在検討中で、現在は講義が最初に流れますが、資料を読んだ後に講義を流すようなフォーマットも可能性としてはあり得るということでした。

<ATLAS形式変更の狙い>

今回のATLASの変更は「総合教養」というようにより統合的かつ一体的な試験にしたいという狙いがあるようです。現段階では「総合教養」でありながら各パートが実質的には独立しており、また分野ごとに出題されることで、ある種のパターン化がなされているとも言えます。試験全体として一体感のある講義と資料に変更することで「総合教養」というコンセプトに立ち返るという狙いがあるようです。

また、受験生の負担軽減という狙いも見えます。現行ではPart IVに「自然科学」のパートが用意されており、一部の問題は自然科学の知識を必要とします。現行の試験でも文系の受験生には配慮されていて、実際には完全に理系の問題はほとんど出ていないのですが、当サイトでも「文系なのですがPart IVの自然科学の対策はどうしたらいいでしょうか?」というのは受験生からも多く寄せられる質問の一つです。ATLASを統合的な問題に変更することで、「自然科学が必ず出される」という現行のイメージを払拭して、文系理系を問わずより多くの受験生にチャレンジしてほしいという狙いが見受けられます。

一般選抜が2方式から4方式へ変更

<現行>
A 方式 総合教養、英語(リスニングを含む)、人文・社会科学又は自然科学
B 方式 第一次選考:総合教養、英語(出願書類として提出する英語外部試験の公式スコア)
第二次選考:個人面接(日本語:2024 年度選抜よりオンライン実施)

<2025 年度以降の入学者選抜>(方式名称は仮称)
一般選抜① 総合教養、英語(リスニングを含む)、人文・社会科学
一般選抜② 総合教養、英語(リスニングを含む)、自然科学
一般選抜③ 第一次選考:総合教養、英語(リスニングを含む) 第二次選考:オンライン個人面接(日本語および英語)
一般選抜④ 第一次選考:総合教養、英語(出願書類として提出する英語外部試験の公式スコア) 第二次選考:オンライン個人面接(日本語)

*一般選抜③と一般選抜④は併願不可(その他は併願可)

要するにA方式、B方式がさらに2つに分岐するようなイメージですね。

現行のA方式では人文社会科学と自然科学のいずれかを選択しますが、新方式ではこれらを併願することができるようになりました。

現行の時間割は以下のようになっています。

(1限)人文社会科学(もしくは自然科学を選択)、(2限)総合教養、(3限)英語

2025年度以降の時間割ではおそらく以下のようになると思われます。

(1限)人文社会科学、(2限)総合教養、(3限)英語、 (4限)自然科学 

一般選抜① の人は(1限)から集合して(3限)まで(=4限の自然科学なし)
一般選抜②の人は(2限)から集合して(4限)まで(=1限の人文社会なし)
一般選抜① ②を併願する人は(1限)に集合して(4限)まで(=1限,4限ともあり)
試験を受けるという形になると思います。

さらに、現行のB方式が2つの分岐したようなイメージで、一般選抜③と一般選抜④ が用意されます。

一般選抜③: 総合教養+ICU入試の英語+二次面接
一般選抜④: 総合教養+外部英語試験(TOEFL, IELTSなど)+二次面接

一般選抜③と一般選抜④は併願できませんが、その他は併願可能であるため、最大3方式の併願が可能になります。

<4方式変更への狙い>

併願のバリエーションを増やして、より多くの受験生にICU入試を受けてもらうというのが狙いだと考えれます。

現行の入試では人文社会科学と自然科学はいずれか1つを選択しなくてはいけませんが、2025年度以降のICU入試では両方を選択し、併願することが可能になります。特に国公立を併願している人は文理を問わず勉強をしてきているので、両方の方式を受ければ受験のチャンスを増やすことができます。人文社会科学と自然科学の選択でどちらか迷うという、読解を得意とする理系の学生にとっても今回の変更は両方を選択することが可能になるので、歓迎すべき変更点でしょう。

予想ではありますが、人文社会科学と自然科学は同日別時限に実施される可能性が高いと思います。会場の集合時間と解散時間を変える事によって調整する形になると思います。ちなみに2015年までのICU入試は4教科で行われていたので、4教科を同日に行うことは可能です。

さらに現行のB方式(=一般選抜④)に加えて一般選抜③が用意され、外部英語試験の成績がなくて、ICU入試の英語を受ける形で総合教養と英語の二科目+二次面接での受験も可能になります。これにより英語は得意だが外部英語試験の成績が間に合わなかったという受験生も一般選抜を受ける機会が生まれます。

併願のバリエーションも増えて、例えば一般選抜①の受験生は以下の6パターンの受験方法が可能です。

一般選抜①
一般選抜①②
一般選抜①③
一般選抜①④
一般選抜①②③
一般選抜①②④

併願のバリエーションを増やすことで、受験生の受験機会を増やしたいという狙いが見受けられる変更点です。

次回のエントリーではその他変更に関してもみていきます。

変更点は下記URLの「2025年度以降の入学者選抜の変更点について」のリンクから確認できます。

https://www.icu.ac.jp/admissions/undergraduate/exam/general/